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「……返事が来るのは明日になると思ったんだが、流石に地元の学校の一つとなると……」
カシムへ最初に送った侵入者の写真はN市にある高校の制服を着た少年。
N市は俺の探偵事務所があるだけじゃなく、カシムも拠点としている可能性が高い。
なんせ、待ち合わせをする時はいつもN市にあるBARになっているからだ。仮想世界ではない。
最初に調べるのは近場であり、足を運びやすいのもある。
だからといって、俺は警察ではなく、探偵に過ぎない。普通に行けば不審者扱いだ。
「小鳥遊源、高校三年の十七歳……俺が送った少年と同じだが」
カシムが返してきた小鳥遊の写真は、俺とは別の格好をしていたが、本人に間違いない。
しかし、彼女が情報屋だとしても、特定するのが早すぎる。すでに何かしらの事件が起き、それを調査を始めていた可能性がある。
続いて、彼女と会う時間が送られて来た。
「今から!? 深夜にはなってないが」
二時間後。サンダーボルトに乗れば、三十分もで経たずに着くが……流石に飲酒運転は駄目だ。
すぐに……とまでもはいかなくても、準備次第出発しなければならない。
そこまで早く会おうとするのは、カシムも俺から小鳥遊の情報を得たいのか。
俺以外に別の依頼を受けていてもおかしくないが……
勿論、メイデンや師匠の事は伝えるつもりはない。
「……OKするか。早く終わる事に越したはないわけだしな」
小鳥遊が師匠の情報を知っていれば良いが、そうでなかった場合、残り六人いる事になる。
体に異変が起きるなら、一人当たりの時間は減らすなら、減らしたいところだ。
「返事も返した。流石に銃はいらないだろう」
【ロストワールド】時に事務所から取ったリボルバーは、元の場所に戻っている。手元にはない。
「ん? これを先に確認してくれ? アクセス先は……ネットニュースか」
カシムはスムーズに話を進めるために、俺にこの情報を目にしろという事だ。
ネットに書き込まれるのなら、それなりに大きな、話題になっている事件になる。
「学生の飛び降りか。自殺で調べられていると……学校は大騒ぎだなわけだが」
当然、小鳥遊が通っている学校だと予想がつく。そうでなければ、カシムもその情報を送ってこないだろう。
「メイデンの世界に入った事によって、体に異変が起きたのか? 犯人の目星となってるのが小鳥遊……じゃない」
自殺だとして、その理由がネットに晒される事がある。誰々の仕業……虐めであり、素顔が勝手にSNSに上げられる事も。
だが、小鳥遊は犯人側ではなく、被害者側。亡くなったのが彼だからだ。
メイデンは相手の体に異変が起きる事だけでなく、怪事件になるとも言っていた。
師匠がそれをメイデンに教えた。怪事件である可能性が高くなるが……




