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情報屋 ー1ー


「うっ……体が重い。意識を失ってた時間が長かったか」


【ロストワールド】から強制ログアウトされたせいもあるのか、体が重い。


 時計を確認してみると、六時間以上経過している。現実だと夜になっている時間だ。


 他のVRをしている時、そんな状態になる事は滅多になかった。慣れてない初期の頃ぐらい。


 メイデンは自身の心象世界と言っていたが、普通の仮想世界とは違い、体に負担が出るのだろうか。


 それとも体に異変が出現する前兆か。彼女からは問題なしと言われたが、【ロストワールド】内だけの可能性もある。


「そこを考えても仕方ない事か。動くのは明日にするとして、アイツに連絡は入れておくか」


 アイツというのは情報屋。師匠のお抱えの情報屋ではなく、俺自身が見つけた相手だ。


 名はカシム。本名じゃなく、情報屋としての名前だ。女性であり、年齢は不明。姿は俺よりも若く見える。


 とある事件の調査時に知り合い、協力関係になった間柄だ。勿論、知り合いだからといって、報酬は支払わなければならない。


 しかも、場合によっては結構な額を要求してくる。


 それだけでなく、情報を渡す時はネットや仮想世界ではなく、現実で直接会う必要がある。


 互いにその方が真偽の判断がつきやすいという理由もあるが……


「彼女から得た侵入者七人の姿は……記憶されてるな」


 椅子型のVR装置には映像の保存機能も備わっている。仮想世界側が許可した場合のみ、使用可能となる。


 メイデンもVR装置に関して、師匠から情報を得ていたのだろう。


 俺を仮想世界に招待出来たの理解出来る。


 VR装置の機能の知識があるからこそ、侵入者七人の姿を見せた。


 俺の頭の中の記憶だけではミスが起こりえる。映像に残す事は必須事項だ。


 とはいえ、プレイヤーの映像を記憶し、他者に送るのはグレーではあるが……探偵というのはそんなものだ。


「早速送るか……送るにしても」


 メイデンや師匠の事は伏せておくとして、【ロストワールド】という仮想世界の名は教えておくべきか。


【ロストワールド】が一時的に開放されたのは、ボダさんでも知っている情報だ。


 それも参加者五人という内容であり、参加者一人の姿が見えなくてなったという話も耳にしていた。


 だが、実際は【ロストワールド】へ侵入したのは七人。


 それを知るのは侵入者達以外には、メイデンしかいない。


 つまり、侵入者達が嘘の情報を流した事になるわけだが……


 それを教える事により、誰が参加してなかったのかが分かる可能性もある。


 だが、調べる事によって、カシムが危険な目に遭う事も十二分考えられる。


 なんせ、師匠の血を持った相手がその中にいるからだ。


「……焦り過ぎだな。まずは一人……その方がカシムも時間を掛けずに済むはずだ」


 俺は侵入者の七人の内の一人を選び、カシムに写真を送った。

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