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「……貴女も師匠を捜していて、侵入者がその手掛かりを持っていると」
【血の奪還】というのは師匠とメイデンの混ざった血であり、それを所持している奴が師匠の情報も持ち合わせている。
彼女も師匠を捜しているという事だ。
「そういう事です。私の血があったからこそ、この世界に侵入出来たのかもしれません。そして、別世界にも影響を与えているはずです」
師匠とメイデンの血が奪われたのが【ロストワールド】ではなく、別の仮想世界。
それを奪った状態で現実に戻り、【ロストワールド】へ。
血があったからこそ、彼女の世界に入れたのなら、侵入者の体に影響があったと考えるべきだ。
侵入者達の目的は分からないが、更に別の仮想世界に行くと予想出来る。
下手すれば、怪事件を様々な仮想世界、現実に撒き散らす事もありえるだろう。
それはメイデンにとってはどうでもいい事だろうが……
「別世界がどうなってもいいのですが、叶の血を奪った……情報を知る者の体に異変が起きる前に捕まえたいのです」
侵入者の体に異変が起き、怪事件を発生させたとして、本人が無事……意識があるとも限らないのか。
その前に侵入者七人の中から、二人の血を奪った相手を見つけて、師匠の居場所を吐かせる。
それは俺が求めていた事でもある。
「……俺も師匠の居場所を捜している。互いに利害が一致したわけだ。勿論、報酬は兎も角として、必要経費は貰うつもりだが……」
成功報酬が師匠を発見した場合なら、俺の目的でもあるため、貰うつもりはない……が、捜すたの費用は必要になる。
侵入者の顔を知れたとしても、容易じゃない。移動費もそうだが、御得意の情報屋も利用するつもりだ。
しかし、彼女の世界で通貨はあるのか。現実と金と交換するための条件を満たしてない。
「当然の権利です。すぐにではなく、数日必要としますが」
払う目星はあるようだ。嘘で一千万の大金を報酬にするはずがない。
「私が直接支払いに行きますので、その時にでも調査の経過を教えてください」
「……直接?」
「する事がありますので、この世界を閉じます。目を閉じてください」
メイデンに言葉が届かなかったのか、俺は強制的に退去、【ロストワールド】からログアウトされた。
目を閉じさせたのは、急なログアウトによる体の負担を減らすためだろうが……
彼女が直接俺に会いに来る?
ログアウトした場所ではなく、初期位置……探偵事務所に戻るという事か?
会うにしても、【ロストワールド】に入るためには、彼女の招待を待つ必要がある。
そして、俺が彼女の世界に入るしかないはずだ。




