2 覇者、王国へ(6)
必死に設定を考えてました。なんとなくで決まったので、またすぐ改変しないといけない気がしますw悲しいね。
さて、人を殺した人外覇者の運命はいかに?
アイリーンの死に戸惑う兵士たち。
ソードマスターを殺した化物に立ち向かうものなど、誰一人としていなかった。
そもそも拘束されていて、身動きなどできはしないが。
「えーと、うーん、よし、史実をやり直そう。」
ハジャーは両手を前に出すと魔法を発動させる。
魔法陣が現れると空中へ浮かび、どんどん大きくなる。
空を覆い尽くすほど大きくなった魔法陣は、静かに落ちてくる。
そうして、この世界、チキューの何もかもが動かなくなり、ハジャーだけがそのまま残された。
「これでよし。」
少し満足げなハジャーが今度は片手を前に出し、魔術を発動させようとしたとき、
(ピー!、ピー!、ピー!)
と高い音が静止した世界に鳴り響いた。
音は空中の一方向から聞こえ、ハジャーが音の方へ顔を向けると、ハジャーの頭より少し高い何も無い空間に線が入り、がま口のようにパカッと開く。
がま口の中は白く輝いていて、そこから何かが姿を表した。
「ピー!ピー!警告、警告。時空ヲ歪メ他世界ヘノ影響ガ懸念サレマス。スグニ術ヲ解キ、干渉ヲ止メテクダサイ。」
突如カタコトで話し始めたのは、頭に青と赤の光輪のランプを点滅させ、おもちゃみたいな羽根をパタパタしながら浮いていて、丸い一頭身に丸い目と、くるみ割り人形のような口があり、左右から細いチューブみたいな手が伸びたロボットだった。
「神の使い、カプリか。神々に伝えてくれ。覇者が戻った、観客は黙って見ていろ、と。」
ハジャーは突然顔を曇らせ、丸いロボット、カプリにキツくつげた。
「ピー!ピー!許容デキカネマス。神々ニカワリ鉄槌ヲクダシマス。オトナシクシタガッテクダサイ。」
ビープ音を鳴らすカプリは、ハジャーに向けて手をかざすと、ハジャーの胸と腰、膝のあたりに3つの光の輪が出現し、光の輪はすぐに金色の不思議な模様がついた拘束具に変わり、ハジャーを締め付けた。
「こんな出来損ないに神具を授けるとは、落ちぶれたな。」
ハジャーが毒づくと、拘束具は黒くドロドロに溶けていく。
「ピー!ピー!対象ヲ危険因子ト判断。戦闘ヲ開始シ……」
「黙れ。」
ハジャーは叫ぶカプリの顔を片手で鷲掴みすると、自らの魔力を送り込んだ。
「グギッゲゴ!ガッ!ジジジビー!フォォンン……」
カプリは数秒ジタバタした後、動きを止めた。
「伝言よろしく。」
ハジャーは軽くそう言うと、先ほどカプリが出てきた空間を手で探し、指が引っかかった所を無理矢理こじ開けた。
そして、光る異次元のがま口にカプリを突っ込むと、がま口の上下を持ち、また無理矢理閉じた。
「……よし、一旦帰ろう。」
今度こそ静かになった城内の中庭で、ハジャーは手を横にかざすと、ブワッと靄が広がった。
靄は星雲のような深い鮮やかな青紫色で、だんだん長方形を形作る。それから靄の内側に少し大きく、素朴な開き戸が現れる。
ハジャーはその開き戸を開いて、中へと進んでいった。
カプリがハジャーにかけた金の拘束具は、孫悟空の緊箍児に近い物です。
違いは装飾と呪文がなくても縛ることが可能な点です。
ハジャーが出した星雲のような靄は星雲扉というもので、様々な扉にアクセスできる、魔術に近い時空を渡るの技の1つです。
扉にアクセスできるものですが、扉がない場所には、そのまま星雲をくぐれば移動できます。




