3 覇者、帰路へ(2)
かなり間が空いてしまいました。
自由な選択肢があると逆に書きづらいなと思う最近です。
ルルは必要以上に仕事をしてくれた。
必要以上に。
今になれば当然の結果だ。
俺を煽って、殺そうとした人間をルルが殺そうとしない、はずがない。
あの適当な呪文で出てきたのがブルーデーモンだった時点で、ルルが相当キレてると気づくべきだったんだ。
礼儀正しくて、友人のように話せる数少ない仲間だから、任せきってしまった。
ルルの習性を忘れていたことも大きい。
最近は大人しかったから優しくなったと思っていた。
ただ、反省はしているようで、今、こうして先輩に叱られている間にも、シアンと協力して時空の修正をしてくれている。
今度はもっと話し合って、プランを練ろう。
「……ハジャーくん、聞いてないわね?」
低い声でギロッと睨みつけるユイによって、ハジャーは物思いから引き戻された。
長いお説教が終わり会議室を出ると、ちょうどシアンが戻ってきた。
「先輩、ただいまです。無事、時空の修正完了しました!」
「ありがとう、ルルはどうだった?」
「あっはい、協力して修正しました。先輩が思うより落ち込んでもいなかったですし、チョコも喜んでましたよ。」
「そうか、なら良かった。」
シアンは正直、悪びれもせず罵倒された、と言いたいが、先輩は信じないだろうし、パドラシアにボコボコにされるのは目に見えてるので、本音を飲み込んだ。
「そうだ、時間軸を消すとき、不自然な空白を見つけました。おそらく我々が追っている破壊者で間違いないです。」
「ハジャーくんの様子を見に来たってこと?そこから追跡はできた?」
「いや無理でした。なんにも残さず去っていきました。さすがに存在の跡だけ消せなかった感じだと思います。」
「そう、残念だけど仕方ないわ。偶然にも、ハジャーくんの行動に相手が食いついたのね。」
ハジャーは少し嫌味を言われた気がした。
いや、確かに言われた。
「じゃあ、ハジャーくん。これから先はくれぐれも、失敗のないように、ね?」
「は、はい!頑張ります!」
さらにユイの圧を感じたハジャーは、そそくさとロッカールームへ小走りする。
「先輩、ファイトです!こっちも足取り掴んだら報告しますので!」
「ありがとうシアン、行ってきます。」
ロッカールームで古びた防具に着替えると、ハジャーはさらに奥の扉を開け、王国へと戻った。
ブルーデーモンはかなり位の高い魔物です。
魔王軍では警備に配属されています。
パドラシアは何にでも変身できるわけではなく、基本食べた対象にしか変身できません。またその生を全うして次の対象を食べて変身するので、現在の姿以外になり変わることもできません。
コロコロ姿を変えられるルルは特別です。




