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7. 挑戦と失敗の日々 再初夜までの道のりは険しく厳しい(?)ものだった 


×○月×日


今度こそクラーラと夜を過ごす決意をするが、どうやって誘っていいのかわからない。

声をかけようとしてかけられず、クラーラの後をつけ回すような事になっていたのにも気づかなかった。

「ユーリウス様、何かご用でも?」

と言われるまで。

えと、あっと……しどろもどろになってようやく出てきた言葉は「一緒にお茶でも」だった。

結局お茶の誘いになり、夜の誘いは言い出せず。

ハードルが高すぎる。

普通の初夜は、結婚をすれば否応無しについてくるのが普通だが、それを逃した場合はなんて障害が高くなるのだろう。



×○月▲日


よくよく考えてみたら、就寝時は夫婦の寝室というのが夫婦の定番ではないか。

僕自身は仕事に追われて自分の部屋のベッドで寝ていたが、クラーラはきっと夫婦の寝室で待っていたに違いない。

どうして今まで思い出さなかったのだろう。夫婦の寝室→不甲斐ない初夜、を思い出してしまうからだろうか?

まあいい。今夜は夫婦の寝室へ行こう。

そう心に決めた僕は、夕食を十分に取り、ゆっくりと風呂に浸かり、少し休息をと自分のベッドに寝転んで、目が覚めたら朝だった。



×○月◆日


先日の失敗を教訓にした。

今日は風呂上がりすぐに夫婦の寝室へ向かうことにした。

自分の部屋にあるとはいえ、初めて回す寝室へのドアノブ。

ドキドキし出す心臓。

深呼吸をして開けて入ると……そこには誰もいないベッドが鎮座していた。

拍子抜けしてやけくそになった僕は大きなベッドに勢いよく飛び込んだ。

広い。両手を伸ばしても端まで届かない。

年甲斐もなく、ごろごろと転がってみる。

何だか楽しくなって二度三度と繰り返していたその時、ガチャリと音がして、クラーラが扉から顔をのぞかせた。

僕は驚きで目が点になり、顔が紅くなるのが分かった。恥ずかしい……

転がる僕を見たクラーラはといえば、笑いを抑えようとして顔を歪めて頑張っていたが、こらえきれずに吹き出していた。

そして「物音がした気がして覗いてみたら、ユーリウス様が……転がっているので……ンふふふふ。」と、笑いすぎて涙を流しながら「私もやってみました。」と告白された。

「私もたまにここで眠るのですが、手足を大きく伸ばせていいですよね。」

その為に大きい訳ではないだろうが。

「じゃあ、ごゆっくり。」

おやすみなさ~い、そう言ってクラーラは自分の部屋へ帰っていた。

好機喪失……巡る好機は前面にしか取っ手なし。

僕はクラーラが言っていたように、手足を大きく伸ばして不貞寝した。



×〇月×■日


あれから夫婦の寝室に通い詰め、クラーラとの時間を作ることに成功した。

とりあえず、気を落ち着けようと酒を飲みながら会話をする。会話をしながら酒を飲むを繰り返す。

緊張で酒ばかり進み、クラーラの飲むスピードが全く落ちないのもありどんどん進んで、いつの間にやら前後不覚になり、意識がはっきりした時は、ベッドの上で頭痛と共に朝が来ていた。

吐き気とぐわんぐわんする頭を抱えて横を見ると、すやすやと眠っているクラーラがいた。

初同衾。

ちょっと関係が進んだ日?



×○月×▲日


「坊ちゃん。お酒の飲み過ぎはダメです。」

飲み過ぎでむかつきと重痛(おもいた)い頭を抱えた僕に、執事のミロシュが説教をする。

いざと言う時に股の中心部分が役に立たなかったらどうする!? と言うことらしい。

そう言えば、先達の教えにもあった。

飲み過ぎるな、若さを過信するな、と言われていたのを思い出す。

酔いで眠ってしまうことを言っていたのではなかったのか……

「ユーリウス様、大丈夫ですか?」

そういいながら、クラーラが執務室に顔を出す。

彼女だって同じくらい飲んでいたはずなのに、全く平気な顔をしている。

「あ、私、お酒強いんです。」

飲み過ぎで朝食をパスした僕と違い、彼女はしっかりと食べてきたらしい。

おかしい。オフェリアとの話しの中で、酔わせて鬱憤不満を吐かせたと言っていたから、それほど強くないと思っていたのに……

「オフェリアお姉さまですか? お姉さまは、私以上に強い方ですよ。」

ダブルうわばみ。

クラーラに釣られて飲むことの危険さを学んだ。



××月○日


「すみません、月の物でして……」

申し訳なさそうな顔のクラーラに、今日は何もなくても言い訳が立つなんて考えてしまった僕。だめだろう。

今日はお酒でなくお茶を飲みながら会話をしていて、ふと、クラーラ自身はオフェリアに何か助言を貰っていたりするのだろうか? そう思ってなんとなく聞いてしまった。

言ってしまってから思った。とんでもない話・物(もの)が出てきてしまったらどうしよう……と、僕は慌てた。

僕のあわてふためきとは裏腹に、落ち着き払ったクラーラは「そうですねぇ」と言いながら、ベッドサイドの引き出しから、瓶を三本持って僕の前に置いた。

「いざという時は潤滑剤よ。と言うことで、甘い香りのラブハニー味と、甘酸っぱい香りのラブベリー味と、さっぱり爽やかな香りのラブシトラス味です。口に入れても大丈夫。」

え、味? 

クラーラはにこっと笑いながら「どれがお好みですか?」とそう言った。

味付きが普通なのか??

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