響音織班は人に出会う
13「それじゃぁ〜、皆もう行っちゃったから私達も行こうか、森の中だと何が居るか分からないから〜私の能力でお空を飛んで見てみよう!!」
6「うおぉぉぉ!私空飛ぶなんて初体験!」
13「行くよ〜」
12「おぉっ!?浮いてる!」
『……わ、私は自分で浮けますので』
13「だろうね、聞いてないし」
『……』
6「そういやコイツの名前どうするの?」
13「忘れてた〜、他の皆とは違う呼び名が良いな〜」
12「良い名前付けるって言ったからね〜ポチタマ神以下……私達はなんて名付けようかな?」
6「う〜ん、ミケ?それとも黒にキセキ」
13「凶手、何となくヒキとか?」
12「……」
(うーわ、そりゃコイツらだからまともな名付け大会じゃないよな〜)
6「音織は何がいい?」
12「そうだな〜イトとかは?それと今更何だけど……コイツもう舌生えたの?」
13「あ、本当だ〜」
6「3日くらいとは思ったけどまさかの再生スピード、また変な事言ったらまた抜かれるから気をつけな〜」
『ッ……』
12「ハハハッ!失礼が無ければ抜かれないよ!お前その反応可愛ッこんなペット初めてだよ〜」
13「音織ちゃんが〜楽しそうならそれで良きなんです〜」
6「ホント生き物好きだね〜音織は」
12「私はこれでも生き物飼育係だったからね〜生き物好きが私くらいしかいなくて悲しいよ〜」
6「でも犬派猫派はあるよな」
13「まぁ概念の、話だけどね〜」
『…………』
【何だよこの恐ろしい会話は…派閥に概念?意味がわからない……てか私の名前にチラホラと恐ろしい候補が入っていた……だがこの音織はこの中ではまともだな、候補の名前もイト…名付けるのは不服だが痛い思いはもう嫌だ……】
6「てかコイツなんて呼ぶ?」
『……イト』
12「わぁっ!!自ら意見を発した!凄い、可愛い!!」
【あぁ、良かった…やっと常識人に出会え……】
12「ちゃんと羽純ちゃんと月葉芽ちゃんの意見聞こうか、お前だけしゃしゃり出るなよ愛玩動物」
『え……?』
13「音織ちゃんは〜ペットが好きだから君の事をちゃんと考えると思ったの〜?」
6「音織がお前の言う事を素直に聞いて名前はイトにするなんて亀毛兎角!あ、あれ?あってるよね?」
12「そうだね〜まぁとにかく図に乗るなよ、お前はただ死なない愚者、私達の慈悲で痛い思いをしてないのを自覚してね」
【ぜ、前言撤回!コイツも頭のおかしい奴だッ】
13「にしても馬鹿だね〜君は、手に掛ける相手を間違えてこんな家畜みたいな人生を歩む羽目になるなんて」
6「ハハハッ面白いよな〜とにかく、こいつの名前は面倒くさいからイトでいいでしょ」
12「イト…ねぇ」
13「あら、不満なの〜?自分で提案した名前なのに」
12「いや、面白いな〜と」
『……』
6「ささっ!気を取り直して森を見るぞ〜!誰かいないかな〜」
——2時間後
13「ずっと飛んでるけど中々人に合わないね〜」
12「そうだね〜もう空飛んでどれくらいなんだろう」
6「うぐ〜魔物と木しか視界に映ってないよ〜面倒臭いよ〜」
『……あ、人』
13「何処?!」
『この下』
12「ありゃ魔物と戦ってる……しかも押されてるし」
13「この世界を聞く為に倒す〜?魔物」
6「そりゃそうでしょ!良い情報があるかもしれないし皆に褒められたりして〜」
13「さ〜てと、いきなり落とすけど気を付けてね」
12、6「はーい」
『はっ、?』
13「レッツ〜ゴー!!」
その瞬間、間中羽純は能力を解いた
『え…は?はぁぁっ!?』
3人は魔物目掛け落ちて行く、イトも急降下をするが何故か追いつかない、まるで3人だけの重力が2倍になったかのように
『落ちるぞ!死ぬぞ!』
13「うるさいな…大丈夫だって〜」
6「もう少し、もう少し!」
12「ヒャッハー!!」
『狂ってる…貴様ら狂ってるぞ!』
13「浮遊」
地面ギリギリで間中羽純が能力を発動させた。
6「シュタっ!」
12「100点の着地だ!」
3人は綺麗に舞い降りたがイトはあまりの落下スピードでそのまま地面に頭から突っ込んだ。
『うぐ……』
12「頭からいったなー」
6「無事なのが面白いね〜」
13「あら?ダッサ」
「そ、空かは人が降ってきた!?」
剣士らしき人が言う
6「さてと、コイツら食べれるかな〜」
12「倒したら律に見てもらお!」
13「賛成〜」
「な、危ないわよ!」
魔術師らしき人が止めようとするが構わず3人は向かう
13「浮かせるから燃やしてね〜」
6「は〜い」
12「ハハッ私達は用無しだな!」
『……』
12「そんな暗い顔をするな、お前が私達を守ろうと降りたのは過大に評価してやる」
6「上手に焼けたよ音織!」
13「倒したし〜少しお話聞こうかな?」
「な、き、貴様ら何者だ!?」
6「何者って言われても…人以外何があるの?」
「人とは思えないから聞いてるのだ!」
12「そんなかっかしないでくれよ剣士さん、私達は君達を助けに来ただけ、それとこの世界について聞きたい」
「この世界?何を言ってるのよ」
6「近くの国とかここが何処なのか、色々聞かせてよ!せっかく助けたんだから」
「この世界について知りたいから倒した、なんて簡単に言ってくれる、貴様らが倒したのは星4つのブラッディブルファイティングだぞ!?貴様ら冒険者か?ランクは!?」
『……』
6「いや、私達冒険者じゃないよ?」
13「まぁ…色々あって記憶をなくしてこの世界について知りたいの」
「言いたい事は一旦飲もう…この世界はとある創造神を中心に造られた世界、名をギブ」
6「ギブ?」
13「へぇ〜、そんな名前なんだ〜」
12「それで?」
「ギブは己の人体を切り刻み神を創り出した、その中の火、水、土の大三神を中心に雷、氷、植物、生物が誕生、そこからまた数多の神が創られ世界を彩ったと言わている」
6「な、成程……」
13「へぇ〜、そんな神話があるんだね〜」
12「…………」
「それで……君たちは何者だ?」
13「黙秘だよ〜」
「は?」
6「見ず知らずの人に名乗るなんてできないよ!」
「はぁぁっ!?こんなよく分かんないお前らに教えてやったんだろ!?そこの無口!」
『わ、私!?』
「お前保護者じゃないのか!?こいつらの名前、教えてくれ」
『……』
イトは3人の後ろに座り目を逸らす
「は…?おいおいおい何してんだお前!?」
『きょ、許可が無いと…言えない。』
「きょ、許可ぁぁっ!?お前もしや…精霊か!?色的に光の精霊だな……しかもこのサイズは国を脅かすハザード星5つ」
13「はざ〜ど?」
12「多分魔物の強さを示すギルドのあれこれ、異世界あるあるだね」
6「今回はイトの私達に対する従順さが分かって安心したよーっ!!」
『………』
(飼い慣らされている、この精霊はどういった拷問をされたのか…)
13「さーて、これくらいでいいでしょ〜?早く帰らないと〜」
そう言うと間中羽純の能力で浮く
「なっ、空間跳躍スキル!?」
6「あ、そういやコイツらどうするの?」
12「放置でいいだろ、勝手に野垂れ死んでくれそうだし」
13「そうだね〜じゃぁ、放置〜」
そう言って4人は真っ暗な夜を飛んでったのだった。
続く