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〜エルフの秘薬〜

 ビオルクに声をかけられた第七騎士団騎士長ビリジアンはエルフの里への遠征準備で忙しい

 

 そしてビリジアンはこの後、シルフィア女王と面会しこの件が解決した(あかつき)にはオリーブ王女との結婚を認めてもらうようにお願いするつもりだ


 ビリジアンのこの戦いにおける思いは誰よりも何よりも熱いのだ


 一方、未だ目覚めぬトーマを心配するエリィ達のもとに思わぬ訪問者が来た


「トーマ様の容態はいかかでしょうか?……わたしを(かば)ってこのような事に……誠に申し訳ありません……」

 

「私も……シルフィア様をお守りする立場にありながら……トーマ様にも注意するように言われていたにもかかわらず……本当に何とお詫びしたらよいか……」


シルフィア女王と護衛のウシャスがお詫びもかねてお見舞いに来たのだ


「シルフィア様、わざわざありがとうございます、エレノアと申します」

「コーラルっちゃ!女王様めっちゃキレイなソ」

「ビビだ!トーマはこういうやつだ気にするな」

「僕はイルミナ・オーシャンです」

 

 エリィ達はエルフの女王の美しさに見惚(みとれ)れながらも立ち上がり挨拶を済ませる、ちなみにイルミナはなんとなくまだ部屋に残っている

 

「実は……トーマ様と大切な話があったのですが……トーマ様がお目覚めにならないということをお聞きしまして、それで何かお役に立てないかと思いまして」


 シルフィアはウシャスに通訳をしてもらいエリィ達に言葉を伝えている

 エルフのなかにはウシャスのようにラビス語を話せる者も多いがシルフィアは簡単なラビス語しか理解することが出来ない、ちなみに王女のオリーブはウシャスのようにラビス語は堪能である


「何かあるソ?」

 

「確か……エルフ族には秘薬があるといわれているからな」

「その通りです!「エルフの秘薬」があればきっとトーマ様も眠りから覚めてくれると思います」


「その秘薬をお持ちなんですか!?」

 エリィはすがる思いでシルフィアに尋ねる


「残念ですが……今は持っていません、エルフの里にありますのでウシャスに持って来させます」

 

「――!だったら今はやめたほうがいいな……エルフの里は今問題を抱えている、トーマのためとはいえコイツはそんなことを望んでいない」


 ビビが提案を断る

 

「そうですねトーマくんなら自分達で行きますね」

「だったらウチが行くっちゃ!」

「ふむ……ビビも行くぞ、コーラルだけでは心許(こころもと)ない」

「なんて〜計らえ〜っちゃ!ビビりん」

「ビビりん言うな!っていうか愚弄だ!アホーラル」

「むっき〜!魔力無くなっても助けんちゃ!」

「心配するな、こんなこともあろうかと今日の朝トーマが血をこの瓶に入れてくれておる」


「――なっ!?トーマっち〜!ビビりんとエリィちんに優しすぎるソ〜ウチにはな〜んも無いっちゃ!」

「コーラルのことは信頼してるって言ってたぞ」

「……そうなソ?……ならいいっちゃ……ムフフ」

「……単純だな」

「むっき〜!」

「僕も一緒に行かせて下さい、トーマさんに助けられた恩を返したいので協力させて下さい!」

 

「「「――!」」」


「イルミナさん……お仕事は大丈夫ですか?」

「戦力的には申し分ないな」

「イルミ〜キスのことも気にしてるソ?」

「――なっ!ちっ違います……僕は純粋に……」

「まあ、トーマの初めてを奪ったのだからな」

「なっえっ!?……ぼっ僕だって初めてだったんですから!……」

 

イルミナは真っ赤になった顔を両手で隠しながらしゃがみ込んでしまった

 

「「「……」」」

 

「……すまん……ちょっとからかってしまって」

「イルミ〜可愛い〜っちゃ」

「イルミナさん……お二人と行動されるならあまり気にしないほうがいいですよ」


 話がまとまりエルフの里にはコーラルとビビ、それにイルミナも同行することになった

 エリィはトーマと離れない約束をしているのでここに残ることにする

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