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〜武装具適正者試合と天才達〜⑥ 銃弾

「「「ウオォォ!」」」

 湧き上がる歓声!


 盛り上がる適正者試合会場、閉鎖的な空間により歓声が響きわたる


 治癒が完了したイルミナは歓声の圧を感じ目を覚ます

「……僕は……生きてるんですか?」


「はい、トーマくんが身を(てい)して守ってくれました」


 エリィが優しく答えると、イルミナはゆっくりと体を起こして中央で戦っているトーマを見る


「そうですか……僕は彼にあんな態度をとっていたのに……」

「トーマくんはそういう人なんです、いつも誰かのために戦って誰かを守っているんです」


「……姉さんが認めるわけだ……治癒ありがとうございます、試合が終わったら彼とちゃんと話してみようと思います……お礼もかねて……」

「そうですね、きっと仲良くなれると思いますよ!」

「なっ仲良くなんて……別に……」

「ふふっ、とりあえず試合を見守りましょう」


「……はい」


お姉さんキャラに弱いイルミナはすっかりエリィに従うようにトーマを見守る


「ハヤト!わかっているわね!」

 シオンが声をかける


「ちっ!こうなったら……ハヤトがやられた時はやるしかないわね……」

 シオンは誰にも聞こえないくらいの小声で(つぶや)


ハヤトの全身から蒸気のようなものが出る!

「アァァ!リミッター解除だ!」

 空気が蒸発するように熱を発する!


――うぉ!リミッターとかもあんの?……じゃあアレやってみるか!――


 トーマは全身に魔力を巡らせる!

「神妙のブラッドスペル!リミッター解除!」


 ――リミッターとか知らんけどカッコいいから言ってみた――


「ウルァァ!」

 ハヤトが爆発を起こしながら突っ込んでっ来る!


「デウス-エクス-マキナ〜殴りバージョン〜!」

 

「――!アガガガアァァッ!」

 ハヤトの体を無数の見えないパンチが滅多打ちにする!

 完全に動きの止まったハヤトは、倒れることすら許されない!アバターが誘爆し自爆している!

 

――もういっそ復帰出来ないようにしよう!オラオラオラオラオラオラッ…………ん?嫌な予感……――


 その時トーマの感覚が研ぎ澄まされる!

 

 シックスセンスが嫌な予感を伝える!

「――まさか!」


瞬間で体が動く、爆発に紛れた銃声!

 ――弾丸よりも速く動け!間に合え〜!――


「ゴフッ!…………」

 トーマが吐血する


 目の前にはエルフの女王シルフィア、ウシャスは反応出来ていない!


 どこからともなく六発の弾丸を背中に受けたトーマ!

 ――……シオン・アーテル……か?……――


 

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