〜武装具適正者試合と天才達〜③ 天才vs天才
一試合目はイルミナとサナダに決まった、二人はもう中央で向かい合っている
もうすでにイルミナの魔力が辺りをヒリつかせている、対するサナダからは魔力というものを感じない
天才剣士イルミナvsケンシン・サナダ
――結局サナダとはほとんど絡むことはなかった、だけどこの男が一番危ない気がする……村正が妖刀に変化したのも何かのチカラを持っているからだろう……オレの時は普通の村正だった、サナダは村正に固執しているようにも見えた……持ち帰りたい……という事?……それとも他にも何か理由が?……――
サナダは腰にある刀に手を添えて身構える!
魔力ではないが何か覇気のような威圧感を感じる
イルミナは剣を抜き半身で構える!
両者なかなか動かない
イルミナの額から汗が流れる
「この人……隙が無い……」
「来ないのか……では」
サナダは刀を抜かず手を添えたまま少しかがむ
地面を蹴る音は無い!
だがイルミナの目の前に現れている!
しかも同じ構えのまま目の前にいる!
いやすでに刀を抜いている!
ノーモーションでの移動と攻撃を同時に行う
サナダは振り抜いた刀を返す!「燕返し」と同時に目の前から消える!
再び距離が空くとサナダは刀を鞘に納め手を添えて俯く
「ほぅ……初見で躱すのか……何かの能力か?」
イルミナに攻撃は入っていない、攻撃を返すことは出来なかったが二振りの攻撃を躱している
――……なんて人だ……この剣閃の鋭さは……姉さんクラス!ふぅ……冷や汗が止まらない……待ってちゃダメだ!先に動く!――
イルミナが激しい音とともに地面を蹴る!
地面を抉ぐるほどの脚力!
一瞬で間合いを詰めてイルミナが横一閃を体制を低くしつつ放つ!
ちょうど低くくしていた上をサナダの居合い抜きの剣閃が空を斬る!
「――!予知しているのか……」
サナダは早くも何かに気付く
お互い一手一手が致命傷になる程の攻撃
「あなたもですか?」
イルミナはサナダに問う
「俺は違う……お前たちのように能力を持っているわけではない……相手のわずかな所作、筋肉の動きを見れば予測する事は出来る……そうか「未来視」ならば……たしかに攻撃を当てることは難しいな」
「降参しますか?」
「ふっ面白い」
サナダは刀を抜き構える!
サナダの移動術はラビスの世界ではあり得ない動き!
間合いの詰め方、最短で繰り出す剣閃!
地に足がついた無駄のない動き!
イルミナは脚力を活かして四方八方から繰り出す剣閃!
イルミナの目にも止まらぬ剣の嵐をサナダはすり足の状態で体位を変えながら最短で躱す!
お互いの攻撃は「未来視」と「攻撃予測」で当たることはない