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〜優柔不断〜

――「デュランダル」!?ドイルさんの武装具って師匠が言ってた……気になる……どうしよう……それに「村正」ってなんか強そうだし……適正だけやってみる?やってみちゃう?どうせみんな「クレアーレグローブ」のこと知らないし……――


 ゴーリラの前に二つの武装具が置かれた


 一見(いっけん)するとただの籠手(こて)だ、適正者がはめてチカラを解放すると姿を現すらしい


 適正試験を行っているがいっこうに光らない、やはり武装具に適正するというのは(まれ)らしい

 

 その時、「村正」が光る!


 適性者は「イルミナ」、騎士団達が湧き上がる!

 

「「「おぉぉぉ!」」」


 そこに一人の男が待ったをかける、「ケンシン・サナダ」だ


 ――いやいや、魔力ないでしょ!無理無理!――


 サナダが籠手に触れると黒く禍々(まがまが)しく煙のような蒸気に包まれ腰に差していた一本の刀が

変化していくように「視える」


 サナダはその刀を天に(かか)刀身(とうしん)を眺める


 その刀からは凄まじい覇気が放たれている


 ゴーリラや騎士団は絶句し、イルミナはサナダを鋭い眼光で見つめる


 サナダは()()れするように刀を見つめると驚愕(きょうがく)の一言を放つ


「これがそうなのか!「妖刀村正」!」


「「「――妖刀村正!?」」」

騎士一同が耳を疑う

 

「まだあなたのモノではないです!僕と勝負しましょう!」

「……そうだな……そういう流れだったか……死んでも知らんぞ!」

「――!自信があるようですが僕も負けるわけにはいきません!」

 

 そこにゴーリラが割って入る

「では騎士サナダと騎士イルミナで勝負を行う!」

 

 さらにトーマが割って入る

「オレが騎士サナダとやるよ!」

 

「――はっ?何を言ってるんですか!これは適性者の試験ですよ! 

 興奮したイルミナがトーマの胸ぐら掴んで言う


「……いやコイツ危ない奴だし……怪我したら……あれだし……」

 トーマは胸ぐらを掴まれたまま両手を上げしどろもどろに言う

 

「騎士サナダ!刀を置け!……騎士トーマ触れてみろ!」

 ゴーリラに指示されサナダが武装具を元の位置に置くと手に持っていた刀からその覇気は消えた


 トーマがイルミナから解放されて「籠手」に触れると(まばゆ)い輝きが辺りを照らす!

 

 会場を包む白い光は先程まであった禍々(まがまが)しさを打ち消すようだ


 トーマはその手を放し振り返る


「オレもいいみたい!」


「「「――!」」」


 騎士達の()き上がりが止まらない!

 

「アゥフ!」「やはり!」「アゥフは別格!」

「グリディアの救世主!」「神の申し子!」

「アゥフvs天才剣士イルミナが実現するぞ……」


「あなたは僕の邪魔をするんですね!」


「いや……サナダを倒したらコレは譲るよ」


「馬鹿にしないで下さい!ちょっと姉に認められたからって調子に乗ってるんじゃないですか?」

 

「……ごめん……でもコイツ危ないんだよ」

 トーマは必死に弁解する


「じゃあこっちの「デュランダル」は俺でいいのかな?」

 騎士達が騒ぐなかハヤトが籠手に触れると輝いているように見える

 

 ――なっなんだと!この騒動でインチキしたな……魔力が無いのに光るわけない……しかしサナダのほうはあきらかに適性者だ!魔力は感じないのに……どういう事なんだ!……どっちも取っちゃうと欲張りみたいになるかな〜?……でもあんな奴にサラちゃんの形見(かたみ)を渡したくない!くぅ〜どうする!……イルミナくんも心配だし――


「いいのか〜?」ハヤトが煽る


「誰もいないならそうだな……では……」

 

「ちょっと待った〜!」

 ゴーリラが適性者を決定しようとするとトーマが振り返り待ったをかける

 

 騎士達からは「欲張り過ぎでは」「優柔不断かよ」など(ささや)かれながらトーマは恥ずかしそうに「デュランダル」のほうに向かう


「テメー!どっちだよ!強欲ヤロ〜が!」

 

「……」

 

「さすがに戦力を固めすぎるわけにはいかんぞ!触れてみろ!」

 ゴーリラにそう言われるが、トーマは気まずそうに「籠手」に触れると激しく光る白い輝きととも腰にある「ドイルの大剣」が反応する!

 

「「「おぉぉぉ!」」」

 

「オレは「デュランダル」をかけてハヤト・デイトナと勝負します!」


「……わかった、では「村正」は騎士イルミナと騎士サナダ!「デュランダル」は騎士トーマと騎士ハヤトで試合を行う!」

  

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