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〜愛と魔法使いと吸血鬼〜⑨ ビビ

「我は吸血鬼の王ヴィヴィアン・ガーネット」


「ヴィヴィアン……いい名前だね」


「――!」


「なっ!お前……我を愚弄するのか!」

「ごっごめん……気を悪くしたみたいだね……ただそう思っただけなんだ……」

 ヴィヴィアンはそう言って立ち上がり(にら)みつけるが、ウェラがあまりにも弱々しく対応するので気が抜けたように座り直した


「そんな事より……なぜ血を分けた?……我が今からお前を殺すかもしれんぞ」

「……でも助けてくれたんだよね?」


「そっそれは……お前が意味の分からない事をするから……理由だ、理由が知りたいからだ」


「……ただ……助けたいと思った……それじゃダメかな?」

 ウェラはチカラない笑顔でそう答える


「なんだそれは……人族は理解出来んな……」

 ヴィヴィアンは納得はしていないが、溜め息をついてそれ以上は聞かなかった

 

数刻(すうこく)過ぎた頃、ウェラの体調は少し良くなってきた

  

「ヴィヴィアンはこれからどうするの?」


「我は味方に討たれたからな……蘇生をし過ぎて魔力も無い、魔力が戻り次第その者を消し炭にしなければな!その者が誰かはだいたい検討はついておる」


「じゃあ僕のところにおいでよ、魔力が戻るまで……血も僕のをあげるからさ……ダメ……かな?」

 

「――!なぜそこまでする!」


「だって今戻ったら殺されちゃうでしょ?魔力が戻るまでだよ!」

「……我を見せ物にでもするつもりではないであろうな?」

「見せ物?いや……僕は知りたいだけだよ……ヴィヴィアンの事を」


「なっ!お前ぇ…………ふっまあよかろう、ではお前の血を吸ってチカラが戻れば、まずお前を殺してやろう」

「やった!じゃあ早速この家の服を着てもらって……帝国軍に一緒に行こう!避難し遅れた少女として」


 ウェラは少年のように喜び、ヴィヴィアンの気が変わらぬうちにと慌ててクローゼットから服を拝借している


「我が少女だと?もう十七だぞ!」


 ヴィヴィアンは布切れのようになってしまった服を全て脱ぎ捨て、拝借した服をウェラの目の前で恥ずかしげもなく着替え始める


 ウェラはまさかヴィヴィアンが目の前で着替えるとは思わなかったので慌てて後ろを向いて目を逸らしながら話しをする


「……あっそうなんだ……年上なんだ……全然見えないね……」

 

「どういう意味だ、今裸を見て思ったのか?我は王だぞ!愚弄するつもりか!」


「ごめんなさい……僕の血で許してください」

「今、吸ったらお前死ぬだろが!」


「あっ!でも一つだけ約束して欲しい……僕の血以外は吸わないで!僕のはいくらでもあげるから!」


「……何なのだお前は……魔力が戻るまでだぞ……では良きに計らえ!」


「僕はこう見えて貴族なんだ、たくさん計らえると思うよ」


「ほぅ」


「それと……「我」って言うと怪しまれるから……ヴィヴィアンでしょ……一人称は「ビビ」にしよう」

 

「……「ビビ」か……」

 

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