〜新たなる旅立ち〜
ー第二章ー
――彼の地の頂きへ器を持ちてソノ者と共に――
いつもの宿、朝食はもちろんエリィの手料理
君の手料理を毎日食べたいと言いたいけど言えないまま食事を堪能して食べ終えた小心者は、隣に座る獣耳少女と悩んでいる
「やっぱ……混沌の白き魔手っちゃ!」
「いや……アルティメットホワイトハンド!」
「じゃあ……不滅の虚無!っちゃ」
「それは……有るのか無いのかはっきりしね〜な〜」
「もう〜!……幻影のファンタズム!キタコレ!」
「いや……それもう同じこと2回言ってるだけ!」
「エリィはどう思う?」
「……エリィ?」
「…………えっあっすいません、考え事をしてました」
「えっと……何の話でしたかね?」
向かいに座るエリィはどうやら話を聞いていなかったらしく少し元気が無いようだ
「エリィちん、朝からぼ〜としてるけど何かあったソ?」
「いいえ……この先どうしようかと思いまして……」
「はっ!エリィ……オレのせいだよね……大切な物がオレの手にくっ付いちゃって!」
「そう〜っちゃ!それなのに名前決めようとか、ふざけたこと言い出したトーマっちが原因なソ!」
「はぁぁ?コーラルがコレなんて名前?なんて言うからだろ!」
「ウチはただ気になって聞いただけっちゃ!それなのにトーマっちがふざけた名前言うから!」
「ふざけた名前はそっちだろう?なんだよ漆黒の終焉って、黒くね〜よ!白いんだよ!」
「なんて〜!」
「痛い……痛い……やめろ」
「謝るまで許さんっちゃ〜!」
「離して……」
「クレアーレグローブです」
「「えっ?」」
トーマ達が相変わらずのやり取りをしていると、食べ終えた食器を台所のほうに持って行きながらエリィが答えた
「あるんだ……名前……」
「なんかカッコいいっちゃ!」
「トーマくん……クレアーレグローブの「適正者」になったのはきっと「必然」です、初めて会った時から決まってたんだと思います」
エリィは三人分の食器を片付けると、紅茶を手際よく出して綺麗に座り直し話し出した
「トーマくんはアゥフです、きっとアゥフだけが使えるのではないかと思います……わたしは「神託」によりアースでグローブを持ち帰る務めを頂きました……ただ、持ち帰っても用途が分かりませんでした……知る必要もないと思っていたのです、持ち帰るのが務めだと……ですが神託はトーマくんの事も指し示しています……何が起こるのか分からないのですが、クレアーレグローブに適正したトーマくんを、わたしは連れて行かなければならない場所があります……」
「それはどこ?王都じゃなさそうだけど……」
「……ですが強制ではありません……何が正しいのか分からないのです……「神託」に従うべきなのか」
知らない事が多過ぎるのだとエリィは言う
「行くよ……もし行って良くない事だったら引き返せばいいよ……行かなかったら後悔すると思うし、行って後悔しても一人じゃない……でしょ?」
「トーマくん……」
「ウチもいるっちゃ!」
「コーラルさん……」
「……ありがとうございます……では一旦王都に向かい神託をグリディア王国に伝えます
最終目的地は「アトランティス」です、王国の西の大陸でガーリア帝国とグリモア魔帝国の国境です……危険……ですね」
――アトランティス……?それって……――
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