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〜ソノ者と共に〜

「ふっふっふ〜!小型のレールガンだ!」


 ――いや電気じゃないから魔力ガンか?……魔ガン?……うん、魔銃でいいか!――


「トーマっち!何それ?」

「トーマくん……それってもしかして」


 ――あっエリィには苦い思い出が……アースで――


「よく分かんないけど……やってみる!」

 トーマは魔力を込めて構える!


 ――どんなもんか分かんないけど、少し多めに魔力込めてもあの四人なら大丈夫だろ…………たぶん――


 レイジン達四人にとってトーマの武器は未知(みち)

どんな事が起きるか分からない

 接近せずそれぞれの遠距離攻撃を繰り出す

「ディープ……」

「グング……」

「グラビティ……」

「テラディウ……」

が間に合わない


 まったくの予備動作のないトーマの攻撃は破滅的な破壊力だった!

 白い閃光が空気中の魔素をも吸収しつつ発射時よりも巨大化しながらレイジン達を襲う!


 グリムと美々を(かば)ったのかレイジンの右手と右足が

ありえない方向に(ねじ)れている


 射線の通ったグリムを蹴り、美々を突き飛ばしたのだろう


 レイも体をかすめただけで左腕が血だらけで動かせそうになかったがエクスカリバーが光り輝きレイの傷を一瞬で治癒した


「……これ……これはまずい威力があり過ぎる!……命を奪いかねない……」

トーマが困惑すると、そっと二人が側に立ち肩に触れてくれる


 一緒に背負うと言ってくれているのだろう

 彼ら三人にはその時言葉はいらなかった

 

「レイジンさん!すまね〜っす」

「アレ、マジでやばいって!」

「治癒します……しかしレイジンさんが……庇ったとはいえ怪我を負うとは……」

「……アレには殺気がないからな……この鎧でなければ腕と足……吹き飛んでいたな」


「……」


「……時間切れだなシュンカ・オーシャンが向かって来ている、撤退だ!」


「宗谷斗真!見事だ!我々を引かせるとは……だがもっと磨け!お前はまだ完全ではない、必ず迎えに来る!……帝国にはお前を殺そうとする者達もいる……気を付けることだ……」 


「……レイジン……」


「あばよ!トーマ!オレ以外に負けるなよ」

「アンタ達こっち来ないと後悔するんだからね!」


「エレノア……私は……君に」


「レイさん………わたしは……わたしの大切な人と共にあります」


 シュンカが到着した時にはレイジン達はその場から消えていた


 西口の方では幸い騎士団に死者は出なかったが、ズーク宰相死亡と八咫鏡(やたのかがみ)の略奪、この開戦直後での事件は大敗で終わった


「すまなかったな……無事で良かった」

「いえ、シュンカさんが来てくれたから引いてくれたんですよ」

「そう言ってくれると有り難い」


「トーマ……君のは武装具ではないのか?」

「どうなんでしょう?でも怖いくらいの威力でした」

「君はやはり特別なのだろう……」


「特別ですか……守りたいものを守れるなら、オレは特別でありたいですね……」

「ふっ、君らしいな」


 トーマの右腕は再び「白い手」に戻り、シュンカにじっくりと見られたり触られたりしてトーマは少し照れ臭そうにしている


 エリィもコーラルも心痛もあり疲れたのだろう、ぐったりとトーマとシュンカのそばにいておとなしい


 

 そして商業都市オーシャン全体に重苦しい空気が(ただよ)っている


 グリディア領でのウワサの広がりは早い、騎士団は街を魔獣のスタンピードから守ったがほぼ全部倒したのはシュンカだ

 騎士団のチカラ不足を指摘する者も出てくるだろう


 ズーク宰相も結局殺され国宝も奪われる、さらにレイ・オーキッドの裏切り、しかもこの騒動の主犯であり帝国の刺客(しかく)だった事実


 オーキッド家の爵位は地に落ち、大聖教もその影響力は今ほどではなくなるだろう


 この商業都市オーシャンでの事件で国の状況が一変するのは間違いない


トーマ達の状況も一変している

 なぜなら目的地である王都に行くことはいいのだが目的である「モノ」がトーマにくっ付いてしまったからだ


トーマはエリィに申し訳ない気持ちで尋ねる

 

「エリィ……これどうしたらいいのかな〜?」

トーマは不安そうに「白い手」を(かか)げる

 

「………トーマくん……ソノ者と共に……です!」

 

「……ん?……それはいったい?」

 

「ふふ……内緒です!」

 

 壮絶な夜だったのにそこだけ違和感があるくらい現実離れしたほど美しい笑顔がそこにはあった



 

読んでくださりありがとうございます。


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