表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/217

〜差別と暗黙の国〜⑨ ミミとグリム

依頼書を受付に持って行き、正式に初依頼初指名を受ける事になった


 推定依頼ランクはC、内容は緑魔石以上を今日中に最低百個依頼者に譲渡(じょうと)すること

 かなり厳しい依頼だ


 ――緑魔石ってことはツチノコくらいか……ただ量が多いな……でも四人なら――


「オレはグリム!この女がミミ!」

 

「オレがトーマでこの子がコーラル、んじゃよろしく」

「アンタさ〜、人族なのに獣人族連れてるなんて珍しいじゃん!」

 目的地のスクワ森林に向かいながらミミは目線を合わせず聞いてくる

 

「そう?」

――コーラル!離れろ!こんなところエリィに見られたら――


 コーラルはちょっと二人が怖いらしくトーマの腕にしがみついたまま歩いてる

 

「たしかになぁ獣人は強ぇからか?っていうかめっちゃくっ付いてんなぁ」

 

「?、人族とか獣人族とか関係あんの?」

 トーマは質問返しする

 

「関係あんだろ、普通」

「関係ないだろう、普通……コーラルだから一緒にいるんだよ」

「「――っ」」

 

「トーマっち!」

 コーラルはトーマの首に抱きついた

「こらっコーラル!離れろ!歩きにくい」


 トーマはなかなか離れないコーラルを引き()がすのに必死だ

「ふ〜ん、いいんじゃん!そういうの!あーしは混血だからね」

「混血!どうりで……」

「どうりで何よ!」

「ああ、どうりで可愛いって思っただけだ、混血は可愛いって相場が決まってるからな!」

 トーマはエリィ以外には平気でそんな事を言える

というより人と接することに抵抗が無くなってきて、()が出てきているように感じる

 

「なっ可愛いってアンタ!その子がいるのに……バカじゃない!」

「トーマっち……ウチというものがありながら……」

「ちぃこのスケコマシが!」

 そんなこんなでスクワ森林に到着した


「オレに作戦があるんだが……まずミミとグリムは凄く強いよね」

「ほぅ、分かんのか……で?」

「オレには敵の位置が把握できる能力がある!だから三人に指示出すから動いてくれない?」

 トーマの作戦は司令塔を三人が囲み、スクワ森林で敵を倒しながら走り進むこと

 チームワークと司令塔の正確性が重要だ

「この作戦なら目標の魔石数をかなり時短で稼ぐ事が出来る」

「わかった……いいかミミ」

「しょうがないわね!」

「いいっちゃ!」

「じゃあ行くぞ!」


 ――魔物の気配だけに集中する……範囲を広げて正確に……集中……集中――


「走るぞ!魔石回収は後で!オレの指差しと声を良く見て聞いて!」

 グリムは槍、ミミは(つち)、コーラルはトンファー

 

「そっち、右にコーラル、左前ミミ、グリムは木の上!」


――ホントに強い!この二人、コーラルもかなり強いのにレベルが違う!しかも全然本気じゃない――


 圧倒的な殲滅(せんめつ)力と的確な指示により数時間で目標まで魔物を倒すことが出来た

 ほとんどの魔物はフラッディークで本来ならレアな魔物なので遭遇することも難しいが、トーマの能力によりこちらから倒しにいけることが短時間でのこの戦果だった


 (あと)は倒した魔物の回収だが、ある程度の場所が分かるように森林内を円を描くように動いていたので回収も(らく)に出来るというトーマの作戦は三人を驚かせた


「やるなぁテメー」

「なかなかやるわねアンタ!あーし達を使うなんて」

「トーマっち!天才っちゃ!」


 ――粘液ベタベタの手でくっ付かないでコーラル――


 すべての回収を終え、これで依頼完了というところで寒気がきた


「――っ」

「みんな最後にとんでもないのくるぞ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ