〜アトランティスの頂きにて〜②メガラニカ
クォークの言葉に絶望を感じるレイジン、黒田信玄が言うように「メガラニカ」は存在しないのか、自分がもともといた世界が「メガラニカ」であり「ラビス」にとっての「メガラニカ」なのか「目指した者の数だけ存在する」と信じて生きてきた
誰に言われたわけでもなくそう信じてきた
根拠もなくそう確信していた
そうでなければ「生きていけなかった」から
「斗真」を導いて来たのは何だったのか
これでこの子を「幸せ」にする事が出来るのか
自分は「神」の「駒」で、この子は「器」でしかないのか
レイジンの思考は停止して俯く
斗真はそっとレイジンの肩に手を置くと笑顔で首を振る、「大丈夫だよ」と「違うよ」と言葉ではなく笑顔で伝える
斗真はクォークに問う
「だったら祭壇に「神器」を捧げて円柱に触れたらどう収まるんだ!クォーク達が前回「メガラニカ」を目指した時に何が起きたんだよ!」
「コイツは「三種の神器」の祭壇で消耗したレプトン、ボソン、龍神ハドロンを殺したとよ……」
ファブニルが凄まじい殺気を放ちながら割って入る
「――な?レプトンとボソンも?だがレイジンと黒田信玄は二人から「神託」を!……まさか!?」
斗真は何かを悟る
「コイツを信じたらダメばい」
「だとしたらレイジンと黒田信玄に「神託」を出していたのは全部「クォーク」!……なんてことだ……最初から最後まで騙されていた……全部計画的だったのか?……」
斗真は熟考し、最悪なシナリオに辿り着く
「クォーク!お前……お前が「ラビストリップ」を作ったんだな!」
「斗真!どういう事だ!」
「トーマくん……」
「宗谷くん……」
「つまり……強欲な人間である「黒田信玄」を「神隠し」で「ラビス」へ転移させ、ボソンと名乗り「神託」として適当な情報を渡しつつ「ラビストリップ」へと考えを誘導し「アース」へ帰還させる、次に正義感の強い「神木零士」を「神隠し」で転移させてレプトンと名乗り「神託」で操り「三神の神器」を集めさせる、最後に「クォークの器」としてオレをここに導く……」
「世界の成り立ちに気付き「ラビス」を崩壊へと仕向け、オレの身体に「ラビストリップ」した後「アース」を侵略して支配する!そして「アース」を自らが目指した「理想郷メガラニカ」へと作り変えようと企む張本人!」
➖➖………………➖➖
「図星か……クォーク!」
「ラビストリップ」の本当の意味は」
「想像を現実へと変換させ「超次元的問題」を故意に発生させて「ラビス」を崩壊させること」
➖➖さあ時間がありません!「メガラニカ」への扉を開くためにこれだけのモノを集めてきたのでしょう?➖➖
「クォーク!誤魔化すな!」
➖➖「アース」を本当の意味での「理想郷」となるように「メガラニカ」になるように!共に向かいましょう!➖➖
「――!やはり……「アース」を侵略するのか!」
「そんな……トーマくん……」
「宗谷くん……それって……」
「黒田信玄と同じ事をするつもりだったのか……」
「……クォークとんでもない奴ばい」
➖➖……だからってもうどうしようもない……触れるしかないのですよ➖➖
「……クォーク……この「アトランティス」には世界を創る「チカラ」がある!分かるんだ!感じるんだ!……だからオレに任せてくれないか?」
➖➖無駄ですよ!前回の時には「アース」に転移する事しか出来なかったのです!だから……➖➖
「これは「クレアーレグローブ」と同じなんじゃないか?だから「想像力」が必要なんだと思う!クォークは前回の時「神」として「メガラニカ」を目指したから「アース」に転移したんだと思う!」
➖➖「私」が私欲で「想像」したから辿り着けなかっと言うのですか?➖➖
➖➖宗谷斗真!あなたは「メガラニカ」が存在するとまだ信じているのですか!?➖➖
「あるよ「メガラニカ」は……だけど今は行く必要ない!「アトランティス」で「ラビス」を救えるから!」




