〜覚悟②〜
「ということでオレとリットは単独で「アトランティス」を目指す!それで「ラビス」の崩壊が収まったらその後にレイジンが「メガラニカ」を目指す!これでいい?」
「「「……」」」
静まり返る一同
「嫌です!わたしはトーマくんと行く」
「……エリィ……それは……」
「トーマくん!わたしは行くよ!」
「……」
エリィの真剣な眼差しを斗真は受け止める
「分かった……二人で行こう!」
「トーマっち!ウチ……も……ダメ……だよね……」
「……コーラル……この戦いは……」
「斗真、お前は「仲間」が信じられないか?「ラビス」を救うのに俺達のチカラは必要ないか?お前が戦いに行くのに「仲間」は安全な場所に置いて平気な顔しているような者達だと思っているのか?お前がみんなを心配するようにお前のこともみんなは心配してるんだ!……自惚れるなよ斗真!……俺達にも意志がある!……コイツらは全員お前と共に「いきたい」と思ってるんだぞ!……危ないからなんだ!……それでお前を失うくらいなら共に戦い!……死んだほうがマシだ!」
レイジンは徐々に熱がこもり語気が強くなる
まるで子供に「想い」を伝えるように
「……いや……すまん……言い過ぎたか?……俺が言えた義理ではないか?……つい……」
レイジンは興奮した自分自身を反省して俯いてしまった
「……そう……そうだな……オレ……自分の事しか考えてなかった……ごめんなさい……オレ、独りよがりで……」
「トーマくん……ずっと一緒だよ」
「トーマっち!まだまだ「ゼロ」には敵わないっちゃ」
「トーマ!お前の血液は無駄にはせんぞ」
「トーマさん!今度こそ僕が助けます」
「トーマはん、あんたはこないに愛されて幸せどすなぁ!うちにもその幸せを分けとぉくれやす」
「トーマ、お前との戦いは楽しいからな!この先もずっと戦い続けるぞ!」
「エリィ……コーラル……ビビ……イルミナくん……アイさん……シュンカさん……ありがとう!」
「アンタやっぱり舐めてるわね!……まあ確かにあーしは迷惑かけたけど……と……友達……でしょ……」
「トーマ!いつもすまん!オレはテメ〜に命預けるぜ!ダチとして!」
「トーマくん……君には感謝してる!いろんな意味で頼りにしてる」
「美々……グリム……レイさん……ありがとう」
「そ……そ……宗谷くん……わたし……ずっと一緒にって……ずっとわたしの料理食べてもらいたい!」
サトエリは何故か混乱して告白めいた言葉をみんなの前で言ってしまう
「エリ……は?……ちょっ……こんな時に何を?……」
「ハァ?サトエリ?こんなみんなの前で!」
「トーマ!テメ〜!」
「……トーマくん……これはどういうことかな?」
「レイさん!違うんだ!これは「エリ」がテンパっておかしな事に!」
レイから迸る殺気が斗真を襲う!
「むむむ……トーマっち〜!そんな事にもなってるなんて「アース」で二人は何してたっちゃ〜!」
「ほぅ、面白い事になってるな〜!」
「トーマさん、姉さんというものがありながら!」
「こうなったらうちも参加しよかしら!」
「ま……待て……これには海よりも深い理由が……あるのか?……」
コーラルが飛びかかりくっ付いて離れない、イルミナはそのコーラルを引き離すのに必死だ
「わ……わたしも!」
エリィが急に大きな声を出す
「「「――!」」」
「わたしも……ずっとトーマくんにご飯……作りたい!」
――トーマくんのご飯作りたい…………エリィ今日ご飯いらないから、そうなの?飲み?、うんごめんね!上司がうるさくて、そう……うん大丈夫!仕事だからね、ホンットごめん、……おかえりなさいトーマくん、ただいま〜ああ飲み過ぎた……あれ?ご飯準備してくれてたんだ、うん……そうなの……今日気合い入り過ぎてて……連絡もらった時はもう作っちゃてて、そうだ!ごめん今日オレ誕生日だ!……ごめん……エリィ……食べるよ!、え?無理しなくていいよ、いや……エリィの気持ちが嬉しくて……だから……食べたいんだ!、もぅ……でもこれからもずっと作るんだよ!、え?それって……、トーマくんお父さんが家に連れて来いって!、じゃあオレたち結婚出来るの?、ふふふ……まずは挨拶に行かないとね!、はじめまして………娘さんとお付き合いさせて…………――
斗真は一時間ほど妄想の世界から出てこれずに放心状態になっていた、やはり斗真にとって「エリィの言葉」は魔王の「破壊の言葉」よりも強力だった




