〜届く愛〜
「トーマっち〜!」
猛スピードで突っ込むラーダーから飛び出し、凄まじい脚力でジャンプするコーラルは闇に包まれたスカイに向かっていく
「――!あれは……コーラル!……よせ!危険だ!……今のアレはもうトーマではない……くっ……」
シュンカはコーラルに気付くが喉もやられていてうまく声が出ない
「――!アァァ!」
狂乱したスカイは振り向きざまにコーラルの腹部に拳を突き刺す!
「「「――!」」」
「……トーマっち……逢いたかった……」
コーラルは抉られた腹部を気にする素振りもなく、そのままスカイを抱きしめた
狂乱しているスカイの目から涙が落ちる
闇の波動が稲光とともにコーラルの体を切り刻むように迸る!
コーラルは優しい笑顔でスカイに語りかける
「トーマっち……ずっと一緒なソ……」
その闇の波動の中をもう一人の少女も進んでいく
ビビの浮遊魔法により浮いたエリィの体は闇の波動により切り刻まれ血を流しながらもスカイのもとへ
二人を拒否するかのような闇の光線がエリィの体を貫いていく
そっと笑顔で抱きしめるエリィ
「逢いたかったです……トーマくん」
ズタズタに切り裂かれ貫かれ全身血で染まってもやっと逢うことが出来た
二人は心からそう思えた
「アァァ……あぁぁ……あぁ……エリィ?……コーラル?……」
黒い波動が弾け飛び、優しく白いオーラが二人を包み込む!
癒していく、再生していく、エリィとコーラルの体は何事もなかったかのように傷一つ無く「復元」されていく
「あったかいソ……」
「この温もり……安心します……」
――…………………それはあなたが決める事ですよ……エレノアです……エリィとお呼びください……内緒ですよ……トーマくん、なんだか…たくましくなりましたね……トーマくん!騎士様です……大丈夫……大丈夫です……コーラルなソ!よろしく〜さっきはありがとっちゃ……ゼロが……ゼロがここにいる……騎士になるんじゃなかったソ?……一番になるんじゃなかったソ?……トーマっちに抱かれて温かかったソ……コラー!ウチの真似するなっちゃ〜!……よし!トーマっち!ウチも褒めろ!……素敵だと思ってますよ!……ウチも!好きっちゃ!……ビビは、ヴィヴィアン・トワイライト、偉大なる大魔法使いだ……トーマ……大義であった……トーマ……魔王にでもなるつもりか……?……本当にこのままずっと一緒にいられたらいいですね……トーマくん……トーマっち……トーマ………………………――
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――……コーラルっ!あんまくっ付くな!エリィが嫉妬しちゃうだろう?、なんで〜?ウチら夫婦っちゃよ!、えっ?夫婦!?、……うう……トーマっち……ウチのこと好きじゃないソ?、なっ!……す……好きじゃないこともない……、ぶぅ〜なんて〜!、わぁごめんごめん……まぁ……好きだけど……そりゃ……ねぇ?、ムフフ嬉しいっちゃ!、わぁ近い近い!顔!……はっ!、ふふふトーマくんはわたしにだけじゃなくて誰にでも優しいんですね、えっ?……エリィ?珍しく距離感近いね!嬉しいけど、そうですか?だって夫婦だから!、えぇぇ!オ……オレは……エリィと結婚したんだ……う……う……嬉しすぎて泣ける!、わたしのことが一番好きなの?トーマくん!、うん!エリィのことが一番好き!くぅ〜こんな風に言いてぇ!、トーマくん……わたしも……だよ!、かはっ!死ぬ……サンスクリットの破壊の言葉より死ねる……、なんて〜!トーマっち〜!、わぁ〜やめろ!痛い痛い!、もぅトーマくんまたコーラルさんとイチャイチャして!えいっ、ポカッ……えいっ……ポカッ……ちょっ……ちょっと待てぇよぉ〜……エリィ〜……やめろってぇ〜……くすぐり攻撃しちゃいます!……ハハ……ハハハッ……ハハハハ……――
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「トーマくん!……トーマくん!」
「トーマっち〜!」