〜トーマを追って〜
美々は話を続ける
「今トーマは「魔将校エドル・ブリーチ」を討ちにゼグ獣王国に向かっているわ!一緒にいるのは「レイジンさん」と「レイさん」の三人で戦うつもりよ!」
「「「――!」」」
「「新型のトリッパー」が「ラビストリップ」して来たのよ……それを引き連れてゼグ獣王国を落とすと言っていたわ、それも情報では二十体!それに「魔将校エドル・ブリーチ」おそらくあの三人しか勝てない」
「獣王国を!」
コーラルはさすがに黙っていられなかった
「コーラル安心して……それをさせないために向かったのよ!信じるしかないわ……ただもしそこにグリディアの騎士団と接触すると記憶のないトーマはどうするかしら!」
「魔将校と一緒にいるなら戦う事になるだろうな」
ビビは要所で会話に入る
「――!姉さんが言っていました!帝国に妙な動きがあると!もしそこに姉さんが向かったら……」
「シュンカvsトーマになるな……」
ビビが最悪を想定して発言する
「そうした時にトーマを止める事が出来るのはいる?あーし達は帝国から出られないの……サトエリをここで守る約束をしてるから」
「だな、オレ達はアイツと約束したんだ……」
グリムも美々も動けないと言う
「わたしが行きます!記憶のないトーマくんには分からないかもしれないけど……そのために来たのです」
「ウチも行くっちゃ!」
「ビビもだな!血を吸えばトーマも思い出すだろう」
イルミナやアイボリーも一緒に行こうと盛り上がっていると美々が不安要素を口にする
「そうなるとただもう一つ問題があるの……「魔将校四席インディゴ・ヴェイル」この男が何を仕掛けてくるか……トーマの身辺を探っていたし……アンバーやウバさん達の危険も……あーしらにも兵士は動かせるけど、どこに密偵が紛れているか……」
美々が言いたいのは誰かが残って警護をしろということだ
「……でしたら僕とアイボリーさんは残って守りましょう!三人でトーマさんを連れて帰って下さい」
「そうどすなぁ、どっちかいうたら「新型トリッパー」の相手より生身の相手のほうがうちにはおうてるのかもしれなおすなぁ」
ガーリア帝都でサトエリを守る美々とグリム
同じく帝都でアンバーやウバ達の安全を確保するイルミナとアイボリー
トーマのもとへ向かうエリィとコーラルとビビ
美々がすぐにラーダー二頭を準備してくれたので出発したエリィ達三人はゼグ獣王国へ急ぎ向かう
ゼグ獣王国防衛戦にて圧倒的な能力でグリディア王国軍を蹂躙していく「新型トリッパー」はアースで特別な訓練を受けた「一般人」だ
「一般人」と言っても「アーテルカンパニー」が闇サイトで揃えた社会からはみ出してしまった者達
彼らは「高給なバイト」と称して集められ、ゲーム感覚で参加する者もいれば「望まぬ形」で参加をしている者もいる
「ラビス」という異世界で簡単に人を殺してしまうのう能力を手に入れ、「戦争の道具」としてグリディアの兵士や獣人族を蹴散らしていく
それを指揮するのは「魔将校二席エドル・ブリーチ」