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〜コーラル〜

 街に入った、街の中はヨーロッパ風の街並みで人もかなり(にぎ)わっている

 白とオレンジを基調とした造りで足元もしっかり舗装されており目で見える範囲でもいろいろな商売が成り立っているのが分かる


「オレはトーマ、この清楚(せいそ)で可愛い子がエリィ」

 トーマは軽く自己紹介したつもりだったが清楚で可愛いと口走(くちばし)っていたことには自分で気付いていなかった


 エリィは恥ずかしいようで赤くほてった(ほほ)を両手で隠したまま「エリィです」と一礼する

 こういう時のトーマは気付かず鈍感だ

「コーラルなソ!よろしく〜さっきはありがとっゃ!」

 コーラルは元気良く敬礼(けいれい)した


――コーラルナソ?……――


「今日、街で何かあるの?兵士もけっこう歩いてるし、それとも普段からこんな感じ?」

 トーマがキョロキョロして言う


「ウチも初めて来たソ、話してるの聞いたけどなんか王国の宰相(さいしょう)って人が来てるらしいっちゃ!」

 コーラルが可愛いらしい(なま)りで答える


「宰相……だったらコーラルさんはなるべく会わないようにして下さい……あの方は獣人族に対していい噂は聞きません」


 エリィは先程の差別のような扱いをまたされるのではないかとコーラルの身を案じる

「うん、気をつけるっちゃ!ウチはここに冒険者になりに来たソ、二人は?」

「おっちょうどいい!オレもとりあえず冒険者になるつもり、街にはニ、三日いる予定なんだ」


だったら一緒に行こうと三人で街を歩く事になった

「コーラルはなんで冒険者になりたいの?」

 トーマは基本的にラビスの事を知らないので質問することが多くなる


「おお、聞いてくれるソ?ウチね憧れの冒険者がおるんっちゃ、十五年前にゼグ獣王国を救った英雄!」


  「……奴隷解放のことですね」


 エリィはトーマに聴かせるために話を促した

「うん、十五年前グリディア王国とゼグ獣王国で戦争があって、グリディアに住んでいた獣人が捕まって奴隷になったソ、奴隷になった獣人はヒドイ扱いを受けたソ……その時たった一人でグリディア王国に乗り込んで奴隷解放したのが勇者ゼロっちゃ!」


――勇者ゼロ!?――


「勇者ゼロ!カッコいい!」

 トーマはカッコいい生き様に憧れる

 

「そうなソ」


  ――ソ……なんかソが気になり出した――


「でもたった一人でグリディア王国に乗り込んで奴隷解放するなんて、そうとう強い獣人なんだね」


「ん?勇者ゼロは人族っちゃ、どんな早い攻撃も、どんな無数の攻撃さえも、すべての攻撃を読む無傷の英雄!その名も最強勇者ゼロっちゃ!」


「「ウオー!カッコいい!」」

 トーマとコーラルはハモって「イエイ!」とハイタッチしてすごく気が合うようだ


「それで勇者ゼロは今どうしてるの?……」

トーマはテンション高く聞くが言葉尻(ことばじり)は下がった、コーラルの表情が急に暗くなったからだ


「わからんソ、聞いた話しによるとグリディア王国と戦っている時に魔族に攻められて……ウチはまだ生まれたばっかりだったから勇者ゼロの顔知らないソ」


――魔族もいるのか……――


「えっつまりゼグ獣王国はグリディア王国と魔族との(はさ)み撃ちにあったってことか」

「そうなソ……」

 

「勇者ゼロがたった一人で魔族と戦っている時に、グリディアがゼグ獣王国に攻めて来たソ、それで勇者ゼロと仲が良かった獣人達が皆殺しになっちゃって……それ以来、勇者ゼロを見た人はいないっちゃ」


「……」

「その時にゼグ獣王国はグリディア王国の植民地になって今でも差別などがあるのです」

 エリィが少し補足を入れてくる


「だからコーラルは、勇者ゼロに憧れて冒険者になるんだね、でもホントに凄いわ勇者ゼロ!人族なのに」 

 トーマはこういうラビス人もいて嬉しいと思ったと同時にこうありたいと思った


「まあ勇者ゼロは「アゥフ」だからね!」

 コーラルは腕を組み笑顔で自慢するように言った


「アゥフ?」


 ――どこかで聞いたような……聞いてないような……――


「謎な部分もあるのですが「人族の覚醒」です、ごく稀にそういう方が居るそうです、信仰するものによっても考え方が違うそうですが……というかおそらくトーマくんは「アゥフ」だと思います……まだ完全ではないと思いますが」

 

「「えぇ!?」」

 トーマとコーラルの息はぴったりだ

 

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