表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/217

〜スカイの作戦〜

「……う……う……うわ〜ん……ベニちゃん……アオちゃん……」


「ちょっと……エリちゃん?……うわ〜んって……いまどき子供でもそんな泣き方しないよ!」


「うう……ごべん……だっで……うう」

「もぉ〜なんか意地はってバカらしくなった!」

ベニがエリを(なぐさ)めるという謎の構図が出来て頭を撫でられている


「ベニ?だったか……」


「ああ……さっきの……何?」

 スカイ達がヨグに話を聞いてからベニのもとへ来た


「サトエリ……アンタなに子供に慰められてんのバカじゃない!」

「サトエリは優しいんだよ!バカはテメ〜だ!」

「ハァ?何ですって〜!あーしだって話聞いてたら同情したわよ!」

「へっ!どうだかな?まあオレは優しいからこの村を救うけどな!」

「アンタ、バカ〜?今そういう話じゃないんだけど〜!」

「なに〜?どういう話だ?……」

 美々とグリムがいつも通りケンカをしてるのでスカイはベニとエリの近くに行く


「……宗谷ぐん……ベニちゃんがね……アオちゃんがね……」

エリは涙ぐんでうまく喋れない


「エリ分かってる……ベニ……」

 スカイはしっかり目を合わせる

「何?」

「一緒に来るか?アオを救いに!」

「――えっ!救う?……救うって?」

「オレの予想だが生きている可能性が高い」

 

「「「――!」」」


 全員が驚愕(きょうがく)する


「アオは生きてるの!?」

「おそらくな……絶対ではないが」

「どうしてそんなこと分かるの?お兄ちゃん!」


「お兄っ!……んん……つまり「人身御供(ひとみごくう)」だ!鬼がその気になれば村を全滅させればいい、だが「生け(にえ)」を要求している、つまり村が無くなっても困るという事、「人身御供」で数を限定し出したのは村も存続させたいから……鬼の習性は分からないが……血を吸うにしろ食べるにしろ「家畜(かちく)」にしてるんじゃないかと思う……だから(さら)われて三か月ならまだ間に合う……そんな感じかな……でっ?行くのか?」


「「「……」」」


四人はスカイちょっと引き気味で見ている


「宗谷くん……すごい!」

「アンタ、今話聞いたばかりでよくそれだけ考えつくわね」

「さすが!オレのライバルだな!」

「……普通じゃないか?」


「……お兄ちゃん!わたしも行く!」

「そうか、じゃあ早速「おとり作戦」について説明する」

「「は?」」

 美々とグリムの開いた口が塞がらない

「宗谷くん!もう考えついたのは?あ……スカイくんだ……へへ」


「じゃあ説明する……まずベニには「人身御供」になってもらう、そしてエリの「脳内チャット」をこの五人で共有する……おそらくベニには目隠しなどされない、子供には逃げることなど不可能だからだ!ベニの状況説明とエリの「脳内チャット」が鍵になる!なぜならこれは「救出作戦」だからだ、「どこに」、「どれだけの人質」がいるのかが重要だ!……ただ占拠するのは簡単だ!だが人質を取られては難しい……まずは「人質解放」したあとに潰す!……ベニにアオを救う覚悟があればの話だがな!」


「「「……」」」

 

「……アンタどうなってんの?しかし占拠は簡単って……相手は「鬼の王」なんだけど……」


「宗谷くん!なんかよくわかんないけどいっぱい喋っててカッコいい!(とおと)い!」

「尊っ!?……くっ!これだけの作戦ならしょうがねぇ〜」


「わたしやる!アオを助ける!」

「……わかった!じゃあこれでいこう!」


「スカイ!でもアンタもし……ベニが受けなかったら?」

 

「……「救出作戦」じゃなく「殲滅(せんめつ)作戦」だったな……でもきっとベニならそう言うと思ってたよ」

 スカイの優しさのなかの非情さに少し恐ろしさを感じた美々だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ