〜その光景の先に.....〜
「――魔王だと!?……何が目的だ!」
――話は通じるのか?……あまりの圧力に押し潰されそうだ!……――
「……破壊……破滅……」
「……そうか……じゃあやるしかないな」
――クレアーレグローブは「ドーム」に使っている……解除すればおそらくみんな殺される……――
自由騎士トーマvs第六天魔王サンスクリット
トーマの魔力に「デュランダル」が答える!
「ビブラシオン・スラッシュ!」
斬撃と音波の振動による回避不能攻撃!あの真田をぐらつかせた大技!
「――いない!」
トーマの「神妙のブラッドスペル」で強化した目でも追えないサンスクリットの動き!
「――ぐふっ!」
トーマの腹部に突き刺さる痛み!
――「妖刀村正」で刺された!……まずい――
距離を取るトーマ!
「――!」
素早く距離を取るトーマにピッタリとくっ付いて来ている!
サンスクリットの一振り!
見えないが殺気を感じかろうじて避ける!
血が吹き出す!
避けきれていない!胸を浅く斬られている!
トーマはとっさに「デュランダル」による「音の衝撃波」で目の前のサンスクリットを吹き飛ばす!
トーマが最大魔力を込めた事により周りの建物も吹き飛ばす!
サンスクリットはダメージ無し!
トーマは一瞬で空気中の魔素を取り込み、集中しイメージする
「デウス-エクス-マキナ・プラス・ビブラシオン!」
――避けられないように攻撃範囲を広げる!――
見えない斬撃と見えない振動が混じり合う!
サンスクリットの体を切り刻む!
黒い血飛沫が舞う!
「ハァハァ……」
トーマの呼吸が荒い、「妖刀村正」に刺されたことによる呪い!もうエルフの秘薬は無い!
トーマはさらに研ぎ澄ましていき呼吸を整えて抜刀の構え
「宗谷流抜刀術!斬心!」
サンスクリットの左肩から左脇にかけて斬り落とす
「ハァハァ……――なっ!」
削られていく体力のなか決死の攻撃を繰り出すトーマだが目の前の敵は何事も無かったように佇んでいる
サンスクリット完全再生!
「人族にしてはいい動きだ!だが!」
トーマの体中から血飛沫が舞い、数十ヶ所の斬り傷が浮き出る!
――なっ!見えない……斬られたのか?……反応出来ない!……強すぎる!――
サンスクリットは刀を鞘に戻して一瞬でトーマの目の前に現れた
「……あ……がっ……」
サンスクリットの腕がトーマの体を貫通している
腕を引き抜くサンスクリット!
血が吹き出す!
トーマにはもうなす術がない、視界がぼやける
薄れていく意識のなか振り返ると泣きながら必死でドームを叩くみんながいる
――ああ……まずい……意識が飛んでドームが消えたら……みんなが殺される………コーラル……ビビ……イルミナくんまで……エリィ……ごめん……オレ君を守れなか……――
ドームが消えると同時にサンスクリットが一本指で「黒き光線」を出した
その一本の光線がエリィの胸を貫く!
誰も「黒き光線」が出ていることすら気付いていない!
トーマの目にはスローモーションのように倒れゆくエリィの姿が見える
手を伸ばしても届かない無情な光景
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