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友達できる?

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 沙織が家へ先導せんどうする。


 俺はその後ろを歩く。


 公園からおよそ徒歩7分程で到着した。


 立派な門の先には、大きな庭があり、その奥にある建物が、沙織の家になるのかもしれないが、どうみても屋敷と呼ぶべきサイズである。


 もし、前世の俺が、このゲーム外情報を入手できていたとしたら、間違いなく某掲示板にて、


『俺的速報ニュース あの噛み噛み少女こと花見沙織はお嬢様である』と情報を流し、他のゲーマー達にマウントを取る未来が見える。


 沙織が、門の隣に、設置してあるインターホンを手慣れた手つきで鳴らすと、


「あらあら、沙織ー?帰ってきたのー?」


と女性の優しい声が、インターホン越しから聞こえた。


 恐らく、沙織の母親であるに違いない。


 こう表現しては、失礼なのかもしれないが、テンパリ屋の娘とは、真反対のおっとりしたタイプの声でびっくりする。


 その後、沙織が、私を紹介して、友達と告げたら、喜んで、ロックを解除してくれた。


 私は、そのおかげで、彼女の家に入る事ができた。


「お、お父様、お、お母様、沙織は、ただいま戻りました。こ、こちらはさーやでしゅ。沙織の大切な友達でしゅ!!」


「高槻紗夜と申します。どうぞ。よろしくお願いします」


 恋愛魔スターは、選択肢を選ぶシミュレーションゲームである。


 つまり…礼儀作法に関しては、全くわからない。


 服の裾をつまみながら、貴族令嬢のように優雅に腰を落とす。


 見様見真似だが、なかなか様になったのではないだろうか?


 個人的な感想を述べるのであれば、あまりやりたくない挨拶である。


 先程、沙織と砂場で遊んできたがために、スカートの先端等せんたんなどに砂が付着してるかもしれない。


 綺麗な床を汚すことに罪悪感が、少しだけ生まれる。


「沙織の友達になってくれたのかい?あの子は、実の親から見ても純粋で、それで、素直でとてもいい子なんだがね…。見ての通り、テンパリ屋さんでね、友達がなかなかできなくて困ってたんだよ…」


「紗夜ちゃんって呼んでいいかしら?よければうちでご飯を食べてって欲しいわぁ〜。紗夜ちゃんがいてくれたら腕によりをかけちゃうわよ〜?確かご近所の高槻さんよね?ご両親には、私が伝えておきましょう〜」


「あはは。では、せっかくですし、ご相伴に預からせていただきます」


 沙織のお母様に事情を話すと、笑顔で、俺達を浴場へと案内してくれた。


 女になったとは言え…なんだろう。すごくいけないことをしようとしてる感じがする。


 心臓の鼓動が、早くなっていくのがわかる。


 元男だった事が、ここにき、て大きく響くことになるとは…俺は、断じてロリではないと胸を張って言いたい。


「で、では、一緒にさーや入りましょう」


 沙織は、いわゆるロリ体型だ。綺麗な金色の髪はセミロング程の長さがある。それだけでも十分魅力的に映るが、最も引き立たせているのは透き通るような青い瞳である。胸はそれほどないが…それでも天使である。


 彼女の顔を凝視する機会が、砂場やブランコなどで、あまり、なかったので、お風呂の中で改めてみる。


——沙織ってこんなに可愛かったっけ…


「そ、そんなにみられると恥ずかしいでしゅ」


「わわっ!!ごめんね?私は、そのー…沙織と友達になれてよかったよ?」


「わ、わたしもでしゅ。ずっと1人だったから…」


「これからもよろしくお願いしましゅ…」


「ええ、こちらからもお願いするわ」


「にしても、本当に髪が綺麗ね…」


 沙織の濡れた髪に対して、ちょうどいいタイミングで日差しが、舞い込んでいたから、ついつい彼女に見惚れてしまい口が先走ってしまった。


「ひゃう…!あ、あの…」


——もっとよく沙織をみたい…


 彼女の顎をくいっと俺の方へ寄せる。


「可愛い…」


「そ、そ、その…キュ〜」


「沙織!!!沙織!!!!」


 沙織の顔が真っ赤になり…倒れてしまう…慌てて、彼女を抱き止める。


 私が、原因かもしれないが…なんだろう。


 今までサブヒロインだからといって、おざなりにしていた部分はあった。


 しかし、この世界に来て、彼女達一人一人の魅力が、あった事を改めて痛感した。


 とりあえず、私の膝の上に彼女の頭を乗せて、介抱をした。


——当然、うちわなどはないため、手であおぐような形にはなってしまったが


「あらあら、沙織ったら…のぼせちゃったのね…」


「私がついていながら…申し訳ないです」


「いいのいいの。そういえば、紗夜ちゃんの両親から了承いただいたわ。紗夜ちゃんが、沙織のクラスと同じだと安心して学院に行かせられるんだけどね…初等部は、魔法の仕方を習うだけとはいえ、魔法は、常に危険な物に変わりはないから…」


「私も、その、沙織と同じクラスだと…!!」


「…そういってくれるだけで嬉しいわ!!魔法はみんなが使えて当たり前…だけど、それは同時に危険を孕んでいることを、紗夜ちゃんも忘れないでね?」


 そう言い残し、沙織のお母さんは、ご飯の支度に戻った。


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