聖スタレチア学院入学式
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4月1日 桜が舞い散り春が私達に挨拶をする。現在、私達がいる聖スタレチア学院では大勢の人で賑わっていた。
それもそのはず…なぜならば、今日は待ちに待った入学式だからである。入学式と聞いて、それは、子供だけが盛り上がるのでは?と思うかもしれない。
しかし、それは否と大きな声で否定したい。
一部の親からしてみれば…学院を卒業して働く子もいるのだから、一世一代で盛り上がるのは自然なのだ。
そんな人が溢れる学院の中で、私と沙織は、恋人繋ぎをしている。不思議なもので、沙織は私に対してだけは緊張する事がなくなった。
花見家と高槻家の双方共の両親が、紺と白色の制服を身に纏った私達の目の前でしゃがんだり、遠くから撮ったりなど、大はしゃぎをしている。
「最後にー、キスしてる写真撮るから、やってくれるかい?」
遊助さん…お酒でも入ってるのかな?と思いながらも、沙織は私に対して期待する眼差しを向けてくる。
当然、このような甘い雰囲気になれば、他の生徒も私たちへ注目をする。
ええい、やればいいんでしょ?
沙織の顎をくいっと持っていき、口付けをする。
「沙織のさーや、ありがとう♡」
いつのまにか魔性の女の子…になったの…
——午前10時
その場にいた生徒達を対象に、複数のホイッスルの音が響き…新入生にホールへの移動指示が伝わる。
日本でもお馴染みではないだろうか?新入生代表と在校生代表と校長《頭寂しい》の話である。
ピカピカの制服を身につけた新入生が、巨大なホールへ、次々と入り各々が入ってきた順に椅子に腰掛ける。
私の保有する攻略知識が正しければ…新入生の代表を行うのは、天童綾香である。
まずは、在校生の代表として、誰かが壇上へと立ち、紙をペラペラと捲り上げ、読んでいた。
「スピー……スピー……」
今更かもしれないが、高槻紗夜は、自分に興味のない話を聞く事が得意ではない。
——ものの数分で眠りに落ちた。
紗夜から垂れた涎をどこからともなく取り出した綿棒で回収しようとする沙織…
周りの生徒達からみれば、奇行でしかない。
そのため、徐々に在校生代表よりも、新入生の2人に視線が寄るのは必然ともいえる。
『新入生の皆さん、はじめまして…………であるからして…のため、………が……送れることを…ます。代表三森奈々』
◆◇◆◇
三森奈々《みもりなな》は、三森早苗の姉である。聖スタレチア学院で生徒会代表を務めあげ、成績は優秀、魔法も学院の中なら、凄く強い。
そんな才能に恵まれたかと思える彼女だが、実際は、手が血で滲む程の努力をして、今の地位にまで上り詰めたのだ。
更に不運な事に、今日は、彼女の妹の早苗も来ていたこともあり、いつもよりも凛々しく、お姉ちゃんとしての格好を良くしようと思っていた。
この背景を持つ奈々からしてみれば、高槻紗夜と花見沙織が誰かはわからなくても、不機嫌になり、腹の底から怒りの感情が込み上げるのは当然だろう。
それでも、震える拳を握り、なんとか堪えて挨拶を終わらせる。
しかし、階段を降りる際に、報復として、『炎魔法ファイア』をお見舞いする。
——私の貴重な時間を粗末にして、火傷しなさい
そう思っていたのは、束の間…起き上がった高槻紗夜が、迫り来る炎に対して、聖剣を取り出し、文字通り切り裂いた。
——まさか…学院初日で奇襲されるとは思わなかった
彼女は、寝ていたこともあり、辺りを見回しても、犯人に検討は付かなかった。だが…彼女の中で警戒心を更に引き上げることにした。
対する三森奈々は、手を握る拳が、更に力を増す。
悔しさのあまり、拳からだけでなく、唇からも血が滲み出ていた。
「三森奈々生徒会長、先程の新入生に向けて魔法を行使した件について、伺えますね?」
当然、魔法のエキスパートである彼女の担任に気づかれてしまい、彼女は、生徒指導室へと誰にも、気づかれる事なく、連れて行かれるのだった。
——その後、彼女には3日の停学処分下され、生徒会長の座を追われる事となった。




