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過去の精算

 黄竜を倒し終えた俺は、次の91層へと足を運ぶ。


 なるほど…そうきたか、


 91層の敵は、朝日未来あさひみくとその取り巻きたち…だった。


 ノルダーム遺跡に『過去を、気持ちだけではなく、今度は物理的に乗り越えろ』と言われた気がした。


◆◇◆◇


『ステータス』


?????HP1/1

     Mp1/1


状態 (コピー)


◆◇◆◇


 やはり、そういう事なのだなと納得する。


 要は『トラウマ』を本気で乗り越えたかどうかを確かめているのだろう。


 中には『Hp1なら楽勝』だと思う人もいる。だが、これは、認識を改める必要がある。


 人間という生き物は、一度植え付けられた恐怖をそう簡単には取り除く事はできないのだ。


 だから、そう言った意味でのコピーは、『竜王よりも嫌な敵』と評価することもできる。


『雷魔法 サンダー』


——二度とその面を俺に見せるな。


 静かな怒りに耐えながら、俺は次へと進んだ。


 92層の敵…花見沙織はなみさおりだった。


 なるほど…ステータスは言わずもがなだ。今回のこの意図は…愛する人が、化けていた場合のことを想定した上での敵の出し方だではないだろうか?


——まるで、私の成長を確かめるかの問題ばかりだ。


 93層の敵…前世の父親と母親だった。


「…何も言わずに、死んでしまってごめん…親孝行もろくにできなかった」


 こんな息子でごめん…。


 俺は優しく、2人を抱きしめて…倒した。


 彼らとはもう二度と会えないからだ。


 ただのコピーだとは頭の中で分かっている。


 それでも…実の親に魔法はものを放つことは俺にはできなかった。


 2人が…


——気にするな、行け


 そう言ってくれたように思えたのは、俺の幻聴だったのだろうか?


 94層 各メインヒロイン達…


 …あれ、あんま思い入れないや…


『雷魔法 サンダー』


 95層  朝日未来あさひみくと取り巻き達


『あんたが引きこもったからあの後、里奈りなをいじめたのさ』


『『あっはっはっはっ』』


『それで、里奈りなが卒業式になんて言ったか知ってるー?ヒロ君は必ず、あんたより大物になるだってさー?』


『なれるわけ無いよねー?』


『それなー』


 これがコピーなのは、頭の中で分かっている。


 それでも絶対に許せないものがある。


『炎魔法 爆炎業火インフェルノ


 彼女達のステータスを知っていても、焼き払いたくなった。


 96層…前世の俺の父親と母親がいた。


『なんで引きこもりになったんだい。おかげで、近所じゃ笑い物扱いだったさ』


『母さんの言う通りだ』


『『でも、立派になった』』


 あぁ…やめてくれ…もうこれ以上…


『『愛してるぞ(わ)。行け』』


 なんで…コピーなのに…最後くらいこんな出来の悪い息子に恨み言でも言ってくれりゃ楽なのに…


「父さん…母さん…実は俺、高槻紗夜たかつきさやになったんだ。それでさ、可愛い幼馴染に恋をした。今が幸せなんだ。それでも、言いたかった。産んでくれて…ありがとう」


『『(私)(俺)達の子供になってくれてありがとう』』


 わたしは2人に抱きつき、自分ごと『雷魔法サンダー』を放った。


 今度こそ…はっきり聞こえた…


 彼らが帰る前に


——さようならと呟いた言葉を


 もう、泣かないと決めてたのになぁ…


 高槻紗夜は上を見上げて、涙を拭い、次へと進んだ。


 97層…花見沙織がいた。


『紗夜さん、私です。沙織です』


 コピーの割に全然なってねえ。


『雷魔法 サンダー』


 お手本見せてやる。「さ、さーやしゃん、沙織です」だよ。


 98層……遠藤里奈えんどうりながいた。


『なんで…なんでなんでなんで…あの時逃げたの…!!私のそのせいでずーっとずーっといじめられた…!!ひどい目にあった!!、信じてたのに…!!』


 心が刃物で抉られる。


『けど…必ずこの世界で、又、天体観測…連れてってね?』


 コピーは本当に人格もなにもかもが…コピーなのか。


「…約束だ」


 扉が開いたので次へと進んだ。



 99層…高槻紗夜さーや


『行きなさい。あの人が待ってるわ』


「ありがとう…」


 そして、奥の扉へと示す。


 俺は深呼吸をし、赤竜王からもらった果実を1つ食べて進む。


 100層は1層と特に様式は変わらなかった。強いて言うなら、扉が豪華になっているくらいだ。


 そして、空間の中央には、何万回も見た面があった。


『待ってたぜ…俺』


「待たせたな…ヒロ」


 最後の戦いの火蓋が、切って落とされた。


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