過去か?未来か?
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「趣味の悪い選択肢を示してくるじゃん。私はてっきり、ラジオ音声のご機嫌取りをするだけの楽ちんな試練だと思ってたよ…沙織がいなければ、惚れてたよ」
『…強がらなくて大丈夫です。今回ばかりは揶揄う気はございません。挑戦者よ、悔いのないように選びな…』
「2だよ」
『…理由をお聞きしても?』
——いつも人を馬鹿にするばかりの機械音声が、初めて本当の意味で俺へ興味を示した…そんな気がした。
「最初は…私も迷ったよ。自分のトラウマを乗り越えられる機会…それも、自力で獲得した圧倒的な力で乗り越えられるなんて、願ったり叶ったりだ。それでいて、元の世界には、私より強いやつはいない。ほれ、見てみろ。3Aが揃ったぞ?安心•安全•安定だ」
『仰る通りです』
「でも、こんな独りよがりの私を誰よりも想い、今も信じて、帰りを待ってくれている、この世界には、最も大切な愛しい人がいる。『必ず戻る』って意地悪だけど、私を陰から見守り信じ続けて、私の小さかった背中を前へ押してくれた人との約束もある。なによりお前は、本来なら、1問目に沙織の関連の問題を出さなくて良かったのに、出した。それは、私にここで2を選んで欲しかったんじゃないのかっ!!!」
そう…あの時、こいつは、俺を煽ることでおちゃらけた感じに濁していたが、沙織の今の気持ちに関連する問題を出す必要性はなかった。
『…ご想像にお任せしましょう。どうぞ。奥の扉へ行ってください。また20層でお会いできる事をお待ちしております』
——あいつは何かを期待している
俺がそう思うのは、傲慢過ぎるのだろうか。
恐らく、11-19層はふざけた問題で来るつもりだな…
トラップも、最初の1層では間違えてしまい、受けてしまったが、大したものではなかった。
少なくとも、『聖剣の担い手』を保有している者ならば致命傷を負うはずがない。
この『間違えればトラップ発動』はダミーと考えてもいいだろう。
更に付け加えるならば、実は、この恋の試練の合否はたったの10層ごとの5問だけだった場合はどうだろう。
そして、内容は『あらゆる方向から発せられる誘惑などに対してどれだけ抗えるか』であったとしたら…?他45層は、あいつの遊戯時間ではないだろうかと俺は考えた。
——前世の諸星博とは決別だ
——-俺の名前は高槻紗夜だ!!
◆◇◆◇
11層目『なんかカッコつけられて不服だったんですけど、聞いてくれません?しかも、私の試練の本質をもう見抜かれたみたいで、不機嫌です。さて今の私の気持ちはどれでしょう』
『1.うぜえ
2.うざい
3.うざあ』
…ほぼ確信していた推測が、当たったのは嬉しいけど…うん…うん…この複雑な気持ちをどう表せばいいのだろうか
こんな感じの問題とか
15層目『前世はノーマルなのに、何?今世は百合なの?何で百合に目覚めたの?教えてよ』
『1.モテなかったから
2.童貞の未練
3.真の魔法使いを目指してるから』
…真の魔法使い舐めるなよ?とっておきの魔法を見せてやろうかァァァァァァァ
こんな感じの問題とか
19層目『ぶっちゃけ、沙織ちゃんと里奈ちゃんどっちのが好きなの?』
『1.里奈
2.沙織
3.私』
こういう系の問題しかほぼ出てこなかった。
「3だけはないです」
自分でも、驚くくらい即答で返した。
『恐ろしく早い即答…私でなきゃ、見逃しちゃうかもしれなかったわね』
…ノリのいい返答と共に、本来問題につき1個のトラップがなぜか3個も発動されることとなった。
まず1個目に熱いお湯が、上から降り注いできた。
『水魔法 ウォーター』で相殺
すると…その間に下から、俺が破廉恥女の足を穴開けるために使った獣対策の拡大版が顔を見せた。
慌てて、
『火魔法 フレイム』で焼却
最後のトラップは、最初の問題の時に発動した矢よりその数は圧倒的に多く四方八方から襲ってきた。
手順は同じ、上から順に『雷魔法 サンダー』丁寧に処理をこなしていく。
『チッ』と舌打ちが聞こえた後、奥の扉が、開かれ20層へと足を踏み入れる。
しかし、その前に体力•魔力共に疲弊しており眠くなってしまったので、ベルンの街で、買っていた果物と缶詰めを食べた後、寝袋を敷いて寝ることにした。
◆◇◆◇
『ステータス』
高槻紗夜
Hp550/2000
Mp4000/20000
状態(疲弊)
称号 聖剣の担い手:聖剣候補者である。聖剣のところまでたどり着けば、所有者になる資格があると認められる。
◆◇◆◇
とりあえず、レベル制のシステムはなくても、数値は上がっていくみたいだ。
俺の場合は、Mpが多い代わりに、Hpが低いみたいだ。耐久も魔力も強ければ、無敵だし…その辺は、割り切ろう。
『経験値』か『成長具合』か『努力値』のどれかが作用することでステータス向上の可能性があると俺は結論付けた。
「おやすみなさ〜い」
『あ、あのノルダーム遺跡は、キャンプ場ではないのですが…』真面目モードのラジオ音声の声が、聞こえたが、気にせず寝ることにした。
◆◇◆◇
??????
「すぅーっ…すぅーっ…」
『ほ、本当に寝てる…両目から涙…あんたも辛くないわけがないわよね…』
紗夜の様子を見にきた人物は、彼女の髪をそっと撫でた後、雫をハンカチで拭い、振り返らずに、彼女のいた部屋から足早に去っていくのだった。




