また会える日まで
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遊助さんに沙織のことを頼まれて、俺と沙織は今、帰り道を歩いている。
「さ、さーやしゃん…せっかくのショッピングを台無しにしてしまって、ごめんなしゃい…。それと、あの時、さーやしゃんが沙織のために追ってくれたおかげで助かりました…」
……自分の無力さ故に…彼女に気遣われてしまった。
「私は何もできなかったよ…」
思わず、自嘲気味に言葉を吐いてしまう。
「い、いやいや…」
本当なんだ。
君に憎まれども、感謝される資格は、全くないんだ。
俺は、遊助さんに事前に忠告をもらっていたのだから、それでも、沙織とのはじめてのショッピングで浮かれてしまった。
その結果がこれだ…。
「本当にごめん…次に会う時は必ず君を守れるような人になるから...さ?その時まで待っててよ?よーし!!頑張るぞ!!」
「じゃぁまたね!!!」
だから、ごめんなさい。見逃してください。
——立派になって君を必ず迎えに行くから
「……は、はいでしゅ。必ずでしゅよ!!……ウソツキ」
◆◇◆◇
最後に沙織から何か聴こえたが、構わず、俺は彼女に背を向けて走った。
まずは、家に帰り、両親に手紙を書き残す。
お父さん、お母さん、こんな子でごめんなさい。
もし、帰れたら、こんな悪い娘にたくさんの説教をしてください。
本来ゲーム上で高槻紗夜が、聖剣エルプレムの担い手に選ばれるのは、高校生の時である。
しかし、彼は、攻略情報を逆手に取る。
今の自分では死ぬ可能性が高いと分かりながらも、聖剣エルプレムのある遺跡へと足を運ぶ。
◆◇◆◇
沙織は、その場でさーやの小さい背中を見送った。
最初の方に見せていた消えそうな表情は、別れる間際には掻き消えていた。
でも、あなたのことを愛しているから…分かっちゃうんだ。
私は、貴方だけをずーっと眺めてたから、今回のことでさーやが自分を責めてるんだってことくらい…はね。
拐われた私自身も悪いのに、貴方は、1人で何もかもを見通したかのように聡く、それでいていつも責任を背負ってしまう…
それが、さーやの魅力的で、とてもかっこいいところでもあるのだけど、それでも今回、沙織は、さーやを止めなかった。
危険を伴っても、それでも貫かなければならないくらい必要なことなんでしょ?それに『必ずまた』と私は告げた。
だから、私は彼女を信じるんだ。
でも…さーやが帰ってきたら…もう我慢しなくてもいいですよね?
彼女を今度こそ、私だけのさーやにしてもいいですよね?
彼女は、頬から流れる雫を拭き取り、小さな背中が、見えなくなるまでずっと見守っていた。




