表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

9日目後編:JCが倍返しする。

 『のんびりひだまり』のメンバーは、どうやって光速ぱんちに仕返しをするかで盛り上がっていた。


パンダバナナ「みんなで集結攻撃しようぜwww」


 集結攻撃。

 連盟メンバーの部隊を集結して、大部隊で行う攻撃である。レイドモンスターと戦う時にはよく使っているが、ソレイユがプレイヤー相手に集結攻撃を仕掛けたことはない。


ソレイユ「やりましょう、集結」

泡沫。「うぇーーーーい!!」

ひよこぷた「大賛成!」

コッコ「盟主、了解~」


 初めてのことにワクワクしている自分がいる。


コッコ「では、準備しましょう。みんな、怪我した妖精を回復してね~」

泡沫。「了解」

ひよこぷた「終わった」

ソレイユ「わかりました!」


 ソレイユも慌てて、チャットを閉じる。

 お庭の治療室をクリックして、怪我した妖精たちを即時に回復させる。1日に即時回復できる数は決まっていて、妖精全員を回復することはできなかったが、集結に参加させられるだけのノームちゃんたちは元気になった。


コッコ「ウタさん、敵の場所特定できる?」

泡沫。「もう特定してるよ!ねぇさん」

コッコ「さすがねウタさん。そのまま、敵がお家を移動しないか見張っててね」

泡沫。「うゎーい!ねぇさんに誉められたwww」

コッコ「2分後に攻撃開始しましょうか。ソレイユさんは第一波の集結を、パンダさんが第二波の集結を掛けてくれる?」

パンダバナナ「連続攻撃www了解しました。」

コッコ「トドメは私が行くわ~」


 コッコは色々な連盟を渡り歩いて来ただけあって、みんなにテキパキと指示を与える。ソレイユは、その指示を見ながら、すごく頼もしいと感じた。

 連盟に居てくれて良かったと、心から思う。


パンダバナナ「あれから攻撃してこないねwww」

コッコ「そうね。さっき負けて、怖気づいたかしらん?」

ひよこぷた「やめる?」

ソレイユ「やめないwww」


 今、やっぱりやめると言ったら、みんなは不満を持つに違いない。自分も「みんなでやり返す」ことにワクワクを感じている。やめるなんてとんでもない。


コッコ「一応、私から宣戦布告の個人チャットは入れとくね~。攻撃と同時に(ニヤリ)」

パンダバナナ「お願いしますwww」

ソレイユ「2分たった!行きます!!!」


 ソレイユが、光速ぱんちのおうちに集結をかける。各メンバーは、その集結に参加する。

 間髪入れずにパンダバナナが集結をかける。これで攻撃ラインが二本、光速ぱんちのお家に届く。

 そして、コッコが三本目のトドメの攻撃ラインを伸ばした。


----------------------------------------------------------------


 「光速ぱんち」こと日下部は、首を捻っていた。


「何で負けたんだ?」


 レベル25程度だ。しかも一回攻撃しているので相手に戦力は残ってないはず。二回目の攻撃も、まず負けることのない部隊で攻撃した。


「何だよ畜生~、バグか?」


 独り文句を言いながら、負けて怪我をした妖精たちを回復させる。そして課金して「紅ダイヤ」を購入。「紅ダイヤ」を使って、次の攻撃に必要な魔力を回復する。


「雑魚は、とことんいじめて立ち上がれなくするに限る。全員、焼き飛ばしてやる!」


 お家が直接攻撃を受けて、3回敗北すると強制的に僻地へ移動させられる。この行為をみんなは焼き飛ばすと呼んでいる。


「泡沫ってやつは、あと1回燃やせば焼き飛ばせるなぁ。」


 攻撃する部隊を編成しようとした時、チャットアイコンが光る。


「ふっ。お怒りメッセージかな?それとも命乞いか?」


 個人チャットを開く。


「ん、コッコ?ワールドチャットの有名人だな。こいつには攻撃してないぞ。」


 メッセージを開く。


「あなたは私の連盟『のんびりひだまり』に攻撃して来たので、今から報復を行います。焼かれたら焼き返す。倍返しだwww」


 メッセージを読み終えた瞬間、画面が赤くなり、アラートが危険を知らせる。


「ヤバい!あの連盟に、俺よりレベル高い奴が居たのか。ヤバいヤバいヤバい!」


 一撃目、せっかく回復させた妖精が全滅。

 続けて二撃目。貯めていた「金貨」が空になった。

 そして連続の三撃目が来る。対策する余裕もない。


「おい!まだ来んのか!ヤバいヤバい、焼き飛ばされちまう!」


 コッコのポセイドン部隊が光速ぱんちのお家に到達する。


「うわーっ、やられた!畜生~畜生~畜生っ!」


 閉鎖された喫煙所の前で、スマホ片手に騒いでいる日下部を、周囲の人間たちは冷たい態度で見ていた。


----------------------------------------------------------------


ひよこぷた「やった!」

泡沫。「ヨーーローーレィヒーーー」

パンダバナナ「ミッション完了!www」

ソレイユ「みんなありがとうね」


 このあと、みんな勝利のお祝いで盛り上がった。


 ソレイユは、とても楽しかった。

 学校が休みになってかは、友達と何か一緒のことをするなんて、一度も無かった。

 顔も知らない、声も聞いたことがない、一度も会った事のない仲間達と、こんなに一体感を持って楽しめるなんて、思ってもみなかった。


 5時。もうすぐママが帰ってくる。今日は、いつもより遅くまで遊んでしまった。


ソレイユ「みんな!明日も遊ぼうね!バイバーイ」

パンダバナナ「当たり前!wwwまた!」

ひよこぷた「また明日」

コッコ「じゃあね~」

泡沫。「盟主様、おつカレー」


 陽子はパソコンを終了する。でも、もっともっとソレイユのままで居たいと思っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ