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今日から学校と仕事、始まります。②莞

盗塁?進塁?

作者: 孤独
掲載日:2020/05/28

「本日のゲストは、昨シーズンの盗塁王、杉上選手。そして、昨シーズンの新人王、友田選手に来てもらいました」


プロ野球のオフシーズン。

タイトルホルダーや、チームの顔にもなる選手となればオファーが多い。他チームとの交流、親睦も深める。

そんな一つの話に、腹を割って話すくらい。いや、大激怒の論戦を始める話があった。


「どーも、杉上です」


昨シーズンの盗塁王。シーズン、57盗塁という記録を新人で獲得した、杉上。


「うっす、友田」


そんな杉上を超えて、新人王を獲得した、友田。打率3割越えの一番打者。

パッと聞くと、なんで友田が新人王を獲れてんの?って聞いてしまうような事である。ど派手な成績は杉上の方だ。


「お二人には今日、共に1番打者としてペナントレースを戦い抜いてきたわけですが。いかがでしょうか?1番打者という、切り込み隊長を務めたことをどのように思っておりました」

「そりゃあ、チームのため。1番打者として、まずは塁に出て、足を使っての進塁。……僕の場合は、当然盗塁ですよ。いやー、盗塁王を獲れて良かったです。僕の一番の武器は足なんで!」


杉上は少々誇張し過ぎであるが、自らの長所と1番打者としてのポイントに足を推した。

出塁率も高い方だし、57盗塁というのは足の速さだけじゃない。塁上にいれば、間違いなく警戒すべき走者だ。その一方で


「あー………」


取材しているのに、課金ゲームをやり始めている友田。カメラ回ってるんですけど!!


「おい、友田!」

「あ?まー、ボチボチっす」

「しゃんとしろーーーー!!この天才野郎!!」


敵チームである友田を叱咤する杉上。この杉上が新人王を獲れなかった理由に、紛れもなく”新人”王って言える友田の才能があった。


「俺、杉上ほど努力してねぇし、そんなに野球やってねぇし」

「ぐぅっ……」

「やっぱり塁に出るのは役目としては当然だけど、打てない打者は1番打者には向いていない」


この19歳。クソ生意気な男は、野球を初めて2年目という超スーパールーキー。これまで頑張って来た野球選手の努力を嘲笑うような才能の塊を持つ奴が、新人王と呼ばれる事は相応しいだろう。


「俺、杉上の出塁率は凄いと思っている。打率や安打数は俺が勝ってるけど」

「!お、お前は四球を選ばなすぎだ!俺と50も差があるぞ!」

「俺が言ってんのは、打率が低いのによく出塁率を誇れるなーって、思ってるんだよ」


グサッグサッと、杉上がこれまで思っていた1番打者の理想像をぶち壊す。友田が可能にしている才能と、考え方だった。簡単にバカスカ打てたら苦労しねぇーんだよ。


「1番打者は試合で1番打席に立つ打者だ。打てなきゃいけない存在。塁に出るだけの打者じゃーないって事かな」

「な、なるほど。そう聞きますと、友田選手と杉上選手の1番打者の理想像は大きく異なりますね」


打つ事を重視している友田はクリーンナップ寄り、杉上の考え方は小兵感。下位打線でやってもいいんじゃない?みたいな、非力なところもある。盗塁王とは聞こえはいいが、基本的には2盗の数が多い選手と言える。長打力が欠けているのはデータを見んでも分かってしまう。


「そ、そうですね。僕は出塁さえすれば、盗塁できますから。成功率8割ですからね……友田くんは盗塁数はいくつだっけ?100%だけど、6盗塁?えっ?いいんですか?そんな1番打者……足が速くても、盗塁しないんじゃーね」


だが、杉上にはプライドがある。この足を活かすために、出塁するための練習を重ね。盗塁も失敗しないよう確実なタイミング、相手の癖や配球を読んでの盗塁。それが揃ったからこその、1番打者。杉上の成績が現れているように、彼の1番打者としての適性は合っているだろう。

一方で、友田は


「盗塁すんの、だりぃーじゃん。初回だったら、ホームラン狙うわ。長打狙いって奴」


本塁打王になるパワーはないが、先頭打者本塁打は今シーズンの最多打者が友田。6本も放っている。


「走者としてはやっぱりアウトにならない事が大事。いくらリードをとって、次の塁を狙おうとしてもだ。後続の打球がフライじゃ進めない。ショートゴロだと、ゲッツーだ。俺は盗塁なんか乗る気じゃない。決めたところで得点にならない。得点圏になるだけだ」


杉上の盗塁王に(笑)をつけてやるかのような、発言。


「盗塁を決めるまでに、2番打者のストライクカウントを不利にすることもある。確かに俺や杉上の足なら2塁から本塁に返るのは単打で十分だけど。俺は無理に2塁に進む走者にはならないな」


盗塁の有用性も理解はしているが、それのリスクを懸念している。友田の言っている事も分からないでもない。さらには


「それに杉上が57盗塁をしてるけど、得点数は俺の方が昨シーズンは多かった。その結果見れば、盗塁が得点に繋がるのかどうか、疑問になると思うぜ」

「!!」


グハァッ


そんな吐血をしてしまいそうな。声を心の中で吐く、杉上。あんだけ誇っている盗塁数、盗塁王にケチをつける項目。選手がペナントシーズンで、何回ホームを踏んだか、という得点のランキングでは。友田の方が上なのだ。


「まー、俺の後ろは新藤さんと河合さんだからな(首位打者と本塁打王)。得点が多いのは当然かな」

「そ、そーだろ!お、お、お、俺がお前と入れ替わったら、俺の方が得点してるはずだぜ」


テンパりながら、友田に反論。だが、速攻で

 

「確かにそうかもな。でも、俺は1番打者で74打点挙げてるけど、杉上はそれくらいの打点を挙げられるか?チーム総得点が下回ったら、お前の負けじゃね?四球を選んでも、打点になることはないぜ」

「ぐほぉぉっ……」


そのチームの特色もあるが……。この友田は1番打者に限れば、1番打者内でも打点王。友田が言っていた、新藤と河合がいなければクリーンナップを打っているだろう打者。おまけに杉上並の俊足。

これが野球初めて、2年目とか信じられない。


「うぐぐぐ……」


歯ぎしりをして、打倒友田に情熱を燃やす杉上。

そんなことは気にしていない友田。


「そ、それでは最後に。来シーズンの抱負や見どころを語ってくれますか」


自分の持ち味と、相手への敵意から杉上が発言したことは


「と、友田に盗塁数でまずは勝つ!盗塁で友田を圧倒してやる!そして、曾我部キャプテン、新潟さん!俺を本塁に沢山返してくれ!」

「俺は盗塁する気ねぇし、3番と4番が重要になる勝負じゃねぇか。競わねぇーよ……。じゃあ、俺。初回先頭打者ホームランを10本打ちまーす!」



パワプロで杉上(積極盗塁)と友田(慎重盗塁)を作ったんですけど。



杉上が57盗塁で盗塁王なのに、得点は友田の方が多くてビックリしました。(オーペナ)

友田の盗塁は6つしかなかったのに、なんで杉上より得点してるんだよ。

やっぱり打撃が良い方が得点できるんかね。単純に。


現実でも、得点王って打てる選手なような気がしますね。

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