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2.
「ねえ、私のどこが好き?」
「うーんとね、大人なところ、落ち着いてるところ、しっかりと物事を考えてるところかな」
「あらあら、あの子にはないとこばっかじゃない。あの子、子供っぽいから」
「あとはそうだなあ、こうしてあいつのことを近い立場で見守って、話し合えるところも好きかな」
「ふふ、嬉しいな。私はあの子の保護者みたいなものだから」
「じゃあ、俺と君とで夫婦だね。あいつは俺たち二人の子供」
「ふふふふっ、もう、またひどいこと言って。あの子、あなたのこと大好きなんだから」
「分かってるよ。俺だってあいつのことは好きだよ。ただ、君の方が好きってだけ」
「あんまりそういうこと言うと、あの子また泣いちゃうよ?」
「本人には内緒でお願いしたいかなあ」