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方言版 太宰治 火の鳥  作者: かんから
わからないくせに
8/79

②ひとりぼっち

 さぢよが、四年生の秋、(とっちゃ)はさぢよのコスモスの写生()、めづらすく「優」ばけた(\/)。さぢよは、不思議(きたえ)だ。木炭紙()裏返すてめるど、(とっちゃ)の字っこ、(めのこ)はやさすくろ、人間(ふと)(よえ)えもの()いんつ(/ ̄)ねん()でろ()、とちっちぇ(/\)く隅()書がぃでら()。はっ、と()っだ。


 さうすて、(とっちゃ)は、消えてねく(\/)なった。画の勉強()、東京()逃げだど、とも言われ、(かっちゃ)どの間さ(なん)があったべが()んなも(/\)、実家ど(かちゃ)どの間()(なん)があったが、なも()なも()、先生()(めんた)がでぎだんだべ、その他さまざまな噂、さぢよの耳()ひそひそは(\/)っだ。間もねぐ()(かっちゃ)、自殺すた。(とっちゃ)の猟銃でのど笛()射っで、即死すた。傷口、石榴だんた( ̄\)


 さぢよは、ふとり残づだ。(とっちゃ)の実家、さぢよの一身ど財産の保護()、引ぎ受げだ。女学校の寮がら出てろ、まんだ(_/)(とっちゃ)の実家()舞いもどって、がばっ(/\)と、さぢよは豹変してまった。


 十七歳ばし()が持づ不思議(きたえ)だ。


 学校からのけえりみぢ、ふらっと停車場()立寄り、上野までの切符ば()てろ、水兵服のまんまで、汽車()乗った。東京は、さぢよ()待ちかまえてら()。さぢよば(むけ)へいれらど、がじゃ( ̄\)めしてろ()。投げ捨てらぃだ鼻紙だんた( ̄\)、さぢよは転々とすて()えくしてら(/\)。二年は、生きた。へずね(/\)かった。討死ど覚悟っこ決めて、(かっちゃ)のたった(ふと)づの形見の(ふれ)(ふれ)え半襟()めぐせがらず掛げで店()出るほど、そった(_/)らにも、せっぱつまって、そごさ(/\)須々木乙彦が、あらわえだ。

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