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④孝行者
そんどぎ、朝太郎は偉かっだ。
すぐに東京がらはっけで、たんげうれすふりっこすで、父っちゃ、そったい山ば持ってんだば、なすてわーさいままで隠しちゃんず、そったい事あるんだば、わっきゃ、学校なんか、くそこれだじゃ、いがら学校ばおがせでけれ、こったえば、売りどばすて、こっからはけで、その山の金鉱すらべさこ、
と、もう父の手ばふぱるようにすてばしらいで、だばって、わさは、こそらどものがげさ呼ばって、母っちゃ、いが、父っちゃは、わんかしかねんだはんで、おぢでまったふとさ、めぐせくせばまねべ、とわさ、ぎっつど叱った。
わも、そうしゃべられで、はずめで、んだべしと気づいで、めぐせえじゃ、わの子だばって、両手っこ合せで拝みてえほどだ。




