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方言版 太宰治 火の鳥  作者: かんから
光を浴びて
57/79

①移り住む

高野さぢよは、そのふと()づぎほどめえ(/\)、三木ど同棲()はずめでら()。数枝いふと、死んでも()へね、(_)っぱん(/ ̄)ねば()わー()、死んでまる(/\)なんも(/\)言えね、鴎は、あいは、唖の鳥だ、となんぼか(/\)わやっ(/\)で言葉っこ書ぎ残すて、八重田数枝のアパートがら姿(みんぱ)消すた。


淀橋の三木のえば(/\)訪れだのは、その日の(ばんげ)、八時頃だ。三木はいねかったばって()ちっ(_)ちぇく(/\)太った老母(ばっちゃ)がいだ。家賃三十円ぐれえ(/\)の、まんだ(/\)すい()二階建のえだ()


さぢよが、名前(なめえ)っこしゃべる(/\)ど、んだが(/\)、とゆったど(/\)合点すて、噂っこ、朝太郎がらきいちゃあ()はんで()、何やら、会があるんた、へる()がら出がげちゃあ()ばって()、もう、そろそろ、帰るべ、あがってけれ(/\)じゃ(_)、と(ちっ)ちぇえ老母(ばっちゃ)は、やさすく招いだ。(つら)も、手も、つやづやすて、上品な老婆だ。


さぢよは、張りづめでら()気もゆるんで、ぐっと、わがえ()帰ったんた、案内す老母(ばっちゃ)よりさぎに、階下の茶の間へさっさど(_/)はって( ̄\)、あだがも、こぃは生ぎかえっだ金魚、ひらひら真紅のコート()脱いで、


かっ()ちゃ()だが()。はずめでお目さ(/\)ががります。」どお辞儀すて、どうにも甘えだ気持さなり、両手そろえでお辞儀すながら、ぷつと(/\)噴ぎ出てまる()


 老母は、平気で、

「はい、こんばんは。朝太郎、世話さなります。」ど挨拶っこすで、もふら(_/)()ど笑っだ。


 不思議な蘇生の場面だ。

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