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③ばれている
三木は、うぬだぐっだ。わでね感じで、頬がほてった。こいづ、なんでも知っちゃあ。
「やずね野郎だ。んだ、相手さなったる。わっきゃ、おめみてえな奴は、めてくねえじゃ。はんつけしてえ。だばって、最後に聞くばって、おめは、さぢよば、どうすだ。」煙草の火っこ消えてら。消えちゃあその煙草ば、すぱすぱ吸って、指はぶるぶる震えてら。
「どうすも、こうすも無えよ。」こんどは、助七のほうが、かえって落ちづいだ。「いまに居るとこばぶっちゃげで、わあは、わあの仕方すかだでまでにすんだ。いが。あの女は、わでなげぃば、まねんだ。わあふとりばす知っちゃあ。おめえは山の宿で、たった一晩、そればす手がら顔さ、ぎゃあぎゃあしゃべっちゃあ。あどは、もう、おめなんかさ鼻もひっかけねえべし。あいづは、そった女だ。」
三木は思わず首こまった。まさに、そんだもなも。




