⑧ひねくれ者
「こんどの須々木乙彦だば、ゆるす。ふとげりばす、ゆるす。
わあは、いま、わったどつぼけな立場さいるんた。
わだって、そえは、わかっちゃあど。
けたくそわりいってのは、こぃは、まんずそだも。
だばってわあは、わあばがじゃめかす女ば、そったいくでねえ女ば、たまんねぐ好ぎなんだ。
蝶々だんた美しさ。因果だ。うんといぐねくなりへ。
どうだ、こぃがらも、あった女ど、遊んで呉ねが。
それは、わがら、たのむじゃ。卑屈でねくてろ。
わあは、もどもどおごろい人間ば、好ぎなんだ。讃美する。
おめは、たんげいい。素晴らすい。
皮肉でも、いやみでもろ、なんもねんだ。
おめみてえなふとと、おどなすく遊んでれば、だいじょんぶ、あいづは、まっと、か弱ぐ、美すくなる。へば、たすかだ。」
だらどよだれっこ、テーブルのうえさ落ぢで、助七うるだぐってそれば掌で拭ぐる、
「あいづば、美すくすてけれ。
わあの、たげ手のどどがねんた素晴らすい女さすてけれじゃ。ね、たのむはんで。
あいづさ、なあが、絶対必要なんだ。
わあの直感さぐるいはね。ぼけなす。
わさも、誇があらあ。
わあは、地べださ落ぢちゃあ柿なんか、食いてぐねえ。」
青年は陰鬱さ堪えがねだ。




