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方言版 太宰治 火の鳥  作者: かんから
わからないくせに
12/79

⑥ぼけかます

なも()なも()わの()ことだっ()きゃ()どでも(/\)いんだばって、」青年(わげの)は、あれこぃしゃべっ(/\)ちゃあうちに、この一週間、自分のへずね(/\)()()いだし、わん()つか()不気嫌()なって、「おめは(/\)、こぃがらどすんだか? わの()下宿()来るか? そえども、――」


 ふたりは、もう帝劇のめえまで来てまってら()


「入舟町さけえ(\/)ります。」入舟町の露路、髪結さんの二階の一室()、さぢよは借りでら()った。


「は、んだが(/\)。」青年(わげの)は、事務的な口調でしゃべっ(/\)た。たんげ(/\)不気嫌()なってきた。「送るが。」


 自動車ば()ばって、ふたりで乗った。


「おふとりで居ちゃあ()んだが。」


 さぢよは答えね()


 青年(わげの)の、ぼけ()ちゃあ()質問()むつら(_/)っとして、ぐっと別な涙、きまげ(/\)る涙、沸いで出て、そえでも()い直すて、かなすく微笑んだ。このふとは、なんも(/\)知らね(/\)んだ。わんど(_/)が、どった(_/)みずめ()でかって、へずねえ(/\)生活()ちゃあ()のか、この(ぼん)ずは、なんも(/\)わかってねんだ。そう()ったら、微笑、そのまますみづいて、みるみる悪鬼の笑い()変わってまった。

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