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ありんこがのっぽ先生と遠距離恋愛をした話

  ずっと遠距離恋愛が続いた。有里は地元の大学に入学し、幸博は大学院の修士課程に進学した。数ヶ月に一度、幸博が岡山に行き、有里も友人と一緒に東京に遊びに行ったときに幸博に会った。大阪でデートすることもあった。そんなので大丈夫なの、浮気とかされない?という友人達のつっこみにもめげず、有里と幸博はずっと遠距離で二人の関係を大切に守っていった。毎晩メッセージをやり取りし、互いに電話を掛け合い続けた。


 幸博が修士課程を修了して就職し、有里が大学の三回生になった時に、幸博は有里にプロポーズをした。何年後になるかわからないけど、有里ちゃんが大学を卒業して、僕の仕事も落ち着いたところで結婚してもらえませんか。


 有里はにっこり笑って即答した。

「はい、喜んで。宜しくお願いします!」


「でさあ、ありんこは、いつからのっぽ先生と付き合い始めたの?」

 結婚式の直前に、菜摘と会ったとき有里は尋ねられた。


「いつだろう?高校二年生の冬?」


「はああ?! なんで私に隠してたの? 何年前よ??」


「ええと、七年前?」


 菜摘はお手上げというポーズをしてから言った。

「よくそんなに長い間、遠距離を続けられたね?! なんで?」


 なんでだろう、あらためて有里も不思議に思った。

 そうね、毎日話してたから寂しくなかったし、なんでも聞いてもらえたし。


「別れの危機もなく、問題も起こらず、ダラダラと付き合い続けてきたんだ?!」


 有里は笑って言った。そうねえ、なんにもなかったわね。強いて言えばいつも危機だったかな。

そか、ずうっと遠距離だったわけだからね。

 病気をしても互いに見舞いにも行けない切なさ、嬉しいことがあっても直接会って喜び合うことのできないもどかしさ。軽いヤキモチや小さな喧嘩、色々あったけど……


 背が凸凹しているから、幸博が少し(かが)むか、私が階段をひとつ登らないと、立ったままキスできないのが、ずっと解決できない大問題、とは有里もさすがに言えなかった。


(おしまい)

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

事件もなにも起こらない、ほんわかした話を書いてみました。

こういう平和な物語もたまにはいいかな、と思います。

感想等ありましたら、是非お寄せください。


縁がありましたら、またお会いいたしましょう!


小泉 洸

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