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洋食店Buono!異世界へ!  作者: 桂木 響也
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4話【異世界】

「と、言う訳で有りまして。

以上の点で解らないことなどは御座いませんでしたか?」


ボサボサの長い髪を後ろに束ね無造作に剃られたヒゲを生やす如何にも盗賊らしき汚い男が手をこするよう下手に、そして丁寧に説明をしてくれた。

この男こそ、先程店に押し掛けてきた盗賊団のリーダー、もといゴルタスという男だ。

先の拷問(僕らも直視出来ぬほどの拷問)の御蔭か、現れた時とはまるで別人である。

勿論その子分達もゴルタスの後ろで正座し並んでいる。

子分達に関しては拷問をしようとする前から抵抗もなく最早「仰せのままに!」状態であった為、拷問は受けずにすんだ。

それに対してオーナーと山田さんは少し残念そうな表情を浮かべた様に見えたのは気のせいではないだろう。


ゴルタスの話に皆が黙り込む。

そしてその沈黙を破ったのは僕だった。


「要するにアレですね。

異世界転移ってやつですね。」


「異世界転移?」


美鈴が訝しげな表情を作る。


「そう。

ファンタジー小説とかに良くある異世界転移ですよ。

アニメとかでも見た事ないですか?」


「いや、聞いたことはあるけど、

まさか現実に起こる物なのか?」


「おこってるんだから仕方ないんじゃなない。

じゃないとこの状況は説明できないよぉ~。」


「因みになんですがゴルタスさん。

この世界の名前はなんです?」


「ほ、本当に皆さん知らないんですか?

エターグリムですよ。」


「「「!!?」」」


「ですよね。

明らかに僕らのいた世界とは明らかに違うものが有りますからね。」


「違うもの?」


「さっきの炎のことか」


「光一さん正解です!

あんなもの普通の原理的に可笑しいでしょう。

まぁそもそも店自体が丘の上にあること自体可笑しいのですが。」


「まぁとりあえず、此処に来てしまった事をどうこうよりも此れからどうして行くのかを話た方がいいかもねぇ~。」


「どうするったってどうしたら‥」


「もう、元の世界には戻れないのかしら。」


どんどん暗くなる店内の雰囲気の中いきなりオーナーが手をパン!パン!と叩く。


「辛気臭い顔をするな!

とりあえず今の現状ですべきことはなんだ?

まずは生きることだ。

光一と美鈴は食料の確認を。

玲と日向は水回りを確認!電気が何故かついているが、全ての部屋に電気が繋がっているか確認をしてくれ。

そしてお前ら!」


「「「はい!!」」」


オーナーの呼び掛けにゴルタス含め他11人が威勢のいい返事をかえす。


「お前らが壊した物を片付けろ。

そして何かしらで直せ。」


「な、直せと言われましても‥」


そらそうだ。

こんなにも大破した店内を直すのは難しいだろう。

まぁ、自業自得だが。


「ああ?何か意見があるのか?」


オーナーの迫力ある睨みがゴルタス一同を震え上がらせる。


「「「な、なんでもありません!!喜んでさせて頂きます!」」」


「よろしい!

因みにお前らが何を仕出かすかわからないんでな。

山田、こいつらの面倒を頼む。」


一気にゴルタス一同が青ざめる。


「へい!任せてくだせぇ姉貴!」


くくく、とまた肩をならし山田がほくそ笑む。

お縦走様です。

僕は心の中でゴルタス一同に手を合わした。


「後は私と春斗は外回りだ。

辺りの状況を知りたい。

それと裏で寝てるあのバカも起こしに行くぞ。」


「あのバカ?」


僕は首を傾げる。


「立花だよ。」


「「「!!?」」」


Buono!スタッフ一同、目を丸くする。


そういや立花さんいなかった!

あの人仕事の時は存在感あり過ぎるのに普段寝てばっかで存在感ないんだよな。

っつかさっきあれだけ騒々しかったのにまだ寝てるのか!?

絶対何かあった時に逃げ遅れるタイプだな!


「ではこの配分に意見のある者は?」


オーナーが皆に目配せをすると、皆に異論はないようで皆立てに首を振った。


「じゃぁ、各自持ち場を頼む。

粗方確認できれば他の持ち場の手伝いをしてやってくれ。

では作業開始。」


「「「はい!」」」



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