3話【恐怖の拷問】
「ど、どういう事よこれ!!?」
美鈴さんが動揺する声を声を漏らす。
現在僕達は店の外にいる。
其処はだだっ広い丘の上。
草原が広がり目の前には青い海が広がっている。
心地よい汐風に何処までも続きそうな青い空から鳥の鳴き声が響く。
「何?‥コレ?」
「ん~。
良い汐風だねぇ~。」
「ですねぇ。
って玲さん何そんな呑気なこと言ってんですか!!」
玲さんの言葉に思わずノリツッコミを入れる僕。
「これ、いったいどうすんのよ?」
「いや、どうすると言われても‥。」
美鈴さんの質問に返答しかねる僕。
僕だって今の現状に意味がサッパリだ。
「どうする事もできないですねぇ~。
わ、何だろこの花綺麗!」
日向は草原に咲く花に目を輝かせる。
なんていうか‥和む。
いや、この兄妹のポジティブさは最早救われる。
「ってか、そもそもここは何処なんだろうな?」
光一さんが海を見渡しそんな言葉を発するとオーナーはタバコを蒸す。
「まぁ、これは私達だけで考えても無駄だろう。
中の奴らに聞いてみるのが早いかもしれん。」
「あ、そういえば中の人達を放ったらかしに出て来てしまったけど大丈夫だったんでしょうか?」
「あぁ、それなら山田が1人1人ロープで縛り上げてると思うぞ。」
「山田さんが!?」
おぉ、なんと恐ろしいことか!
さっきの山田さんの戦いを目の当たりにした僕は山田さんがただ単にあの盗賊団共を縛り上げているとはとても思えない。
「とりあえず中に戻るぞ。」
オーナーの指示で皆が店の中に戻ると、さっきの男達が口にガムテープを付けられ、1人1人丁寧にSMプレイの王道縛りで店内に吊るし上げられていた。
絵柄的にかなりのキツさを感じた。
後から山田さんに聞いた所あの縛り方は【亀甲縛り】と言うらしく、僕に伝授しようとしてきたが丁重にお断りした。
吊るし上げられている中のリーダー格にオーナーが歩みよる。
「私が今から質問することにしっかりと丁寧に答えていけ。
わかったな?」
リーダー格の男は頷いたのでオーナーがリーダー格の口元のガムテープを外すや否やリーダー格の男はオーナーの顔目掛け唾を吐き出す。
オーナーはそれを分かっていましたかの如く易々と躱し流れるようにリーダー格の股間に、躊躇なく爪先キックを打ちかます。
キーン!!
「「「「ぬぅお!!!」」」」
余りの一撃に蹴られていない男性陣全員も股間を抑え顔が引きつった。
勿論、男は痛さの余り悶絶し釣り上げられた魚の如くピチピチと暴れ悶えている。
なんともエグい。
「どうだ?今の自分の状況を少しでも理解したか?」
「く、くそ女‥。」
オーナーはタバコを吸うと、その煙を男に吹きかける。
「ゴホッゴホッ、何しやがる!!」
「残念だ。
此処までするつもりは無かったのだが、君は調教が必要のようだ。
山田!スポンジバットを」
「へい!姉貴!此処にあるますぜ。」
山田さんは忍びのごとくオーナーの足元に膝をつき、何処から持ってきたのかスポンジバットをオーナーに差し出す。
オーナーはそれを受け取るとニヤリとする。
「はっ、なんだ?
拷問か?そんなもんで俺が‥」
リーダー格の男は意気がるように喋りだすがオーナーと山田が自分の背後に回っている事に気付く。
「お、おい!
いったいどうする気だ!?」
「ちょっとしたことさ。
耐えれなくなって私の質問に答えたいと思ったら手を上げろ。
分かったな?」
オーナーと山田は「くくく」と肩を鳴らすようにニヤリと笑う。
なんだろう?
僕が訝しげな表情を作ると隣で一緒にその光景を見る光一さんが引きつった顔で言葉を漏らす。
「‥はじまるぞ。
【恐怖の拷問】が‥」
聞くからに恐ろしいな。
「な、何をする!?
まて!おい!本気か!?」
「山田!コングを!」
「はいよ!」
山田さんはコングを取り出す。
一体何処から持ってきたんだ!?
「レディ!ファイ!!」
カーン!!
山田さんの開始の合図と共にオーナーはスポンジバットを振りかぶり、男の股間目掛けて気が狂ったかのよう何度も何度も下から上へスウィングする。
バン! バン!バン!バン!バン!バン!
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!!!!」
男性陣、いや其処にいた全ての人間の顔が引きつり恐怖したのは言うまでもないだろう。
ここまで!
ごめんなさい!プロローグ合わせて4話まででした!