1話【乱闘】
「!!?」
思わぬ光景に僕の目が点になる。
何故なら其処に現れたのはファンタジー系に良く出てくる様な、如何にも盗賊!ってな感じの服を着た汚らしい男が立っていた。
「おいおいおい!いつの間にこんなもん建てやがったんだ?
ここらは俺らの縄張りだぞコラ!」
入ってくるなりいきなり罵声を浴びせてくる盗賊らしき人物。
なんだコレ?
ドッキリかなんかか?
そんな事をふと頭に過ぎらせていると、その盗賊の後ろからゾロゾロと更に汚らしい盗賊らしき人物達が入ってきた。
全員で12人。
なんだなんだ?
何これ?意味わかんない。
けど、俺はそんなドッキリ動じないぞ。
「あのー。
ですから午後の部まで。あと一時間ほどありますので、一時間後にまたご来店おね「うっせぇ!!!!」
ドカッ!!
またもや罵声を放ち店内の椅子を蹴りつけ威嚇する男。
おいおい、いくらドッキリでもやり過ぎだろ。オーナーがよく許したな。
けど流石の俺もキレちゃうよ?
「お客様!困ります!」
「うっせぇぞ!!ガキが!」
チャキ!
1人の男がイキナリ刃物を抜きだす。
はっ!刃物ぉ!!!って騙されるとでも?
この店は街中にある。
こんなに団体で行動して本当の刃物を持とうものなら直ぐに通報されるに決まっている。
刃物っていっても模造刀でしょう?
僕は微動だにせず刃物を持つ男に歩み寄っていくと何故か男は動揺する。
「く、来るんじゃねぇ!!」
一体何なんだ?
僕は更に歩み刃物のを指先で摘み横へとずらす。
「な!!?」
「お客様、模造刀とはいえこんなの振り回すと危ないですよ。」
「な、舐めんじゃねぇ!!!」
男は僕を押し飛ばし刃物を振り上げた。
咄嗟に僕は身体を捻り刃先を避けると顔横の床に深く刃物が突き刺さる。
ザシュ!!!
「えっ!!!?」
うそぉーー!!
マジか!?マジのやつか!?
「も、もしかして本間もんの刃物ですか?」
「あぁ?あったり前だろぉが!!」
「なんやてぇ!!!?」
素早くその男から離れる僕。
「舐めやがって。
おい!お前らやっちまえ!」
その男の言葉で他の男共もやっと出番かとニヤつくとガキャ!!っと辺りのテーブルや椅子を壊し始めた。
その物音に裏からオーナー以外の皆んながゾロゾロと出て来る。
「なんださっきの音は?」
「「「「!!?」」」」
「な、なんてこと‥」
「な、なんだこれ!?
おい!お前ら辞めろ!!!」
光一さんが男1人を抑えつけようとすると他の男の拳が光一さんの顔面を捉える。
ゴツ!!
鈍い音が鳴り響き光一さんは床に転げると日向さんが急ぎ駆け寄る。
「な、何するんですか!!?
貴方達はいったい‥」
日向が声を荒げ男共に視線を向けるや否や直ぐにその男共が普通でないことに気づく。
男共は日向さんを見ると直ぐに下卑たニタつきを見せたからだ。
だから日向さんは直ぐに自分の危機に気づき表情を変えたのだろう。
「げひひひ、こりゃぁ上玉な嬢ちゃんがいるじゃねぇか!」
「兄貴!俺が取り押さえやす!」
「けひひ!おう!
先にヤルのは俺だからな!
抜け駆けすんなよ!」
「きひ!分かってますよ!」
子分らしき男が日向さんに襲いかかる。
僕は其れを見るや否や直ぐに子分の男に横からタックルを打ちかます。
ドカッ!!!
「こ、このガキャ!!」
「日向さん!!こいつら普通じゃない!!店の奥に下がって!」
ドカッ!!!
僕の顔面に思い何かがぶち当たり吹き飛ばされる。
どうやら違う奴に蹴りをいれらたようた。
「くう!」
「何反抗してんだよテメェら!
ここは俺らの縄張りなんだよ!
勝手にこんなもん建てやがってナメてんじゃねぇぞ!
おい!テメェら!徹底的にぶっ潰せ!!!」
バリーン!!ガキャ!!
盗賊らしき男共は窓ガラスやら机やらを潰しにかかり、また日向や共に裏からでてきた凛花や美鈴に手を伸ばそうとする。
「きゃー!こないでえ!」
美鈴の叫び声が店内に響き渡ると同時にバキャ!バキ!と音が鳴り、襲いかかろうとした男2人が吹き飛び床に伸びる。
「なっ!!?」
驚くリーダー格の男の前に立ちはだかったのは山田さんと首をポキポキと鳴らす光一さんだった。
「ったく。
イキナリ殴ってくるたぁいい度胸だなコラ。
テメェら覚悟はできてんだろぅな?」
「山田は激怒してまさぁ。
山田を雇ってもらえる店はここしかないんですよ!
それをこんなに潰すなんて
テメェら舐めんてんのかぁ!!!」
おぉ!光一さんの威圧が凄い!
っつか山田さんの沸点はそこなのかぁ!?
そもそもあんたは店の物を潰すナンバーワンだけどね!
まぁこの奴らみたいにワザとではないんだろうけどね!
と心の中でツッコミを入れる僕。
「コウチン、山田ぁ!
頑張れぇ!!」
何故か玲さんはニコニコと他人事かのように山田さんと光一さんを応援する。
っつか何でそんなに冷静なの?
「ちっ!やっちまえ!」
「「「おう!」」」
これを期に店内で乱闘が勃発しはじめる。
盗賊らしき男共が一斉に腰の短剣を抜き取る。
「光一さん!其奴らの武器は本物です!気をつけてください!」
「そんなもん関係あるかボケぇ!!」
ドカア!!
光一さんにナイフを突き付けた男が光一さんの拳で吹き飛んだ。
「ナイフもってるからゆうて調子こいとんちゃうぞボケが!
ナイフがナンボのもんじゃい!かかってこんかい!
テメェら全員‥‥
ぶち殺したるわ!」
光一さん怖えぇ!!
「っつか関西弁!?」
「コウチンは元々大阪の子だからねぇ。
プッツンいくと関西弁になるんだよ。」
「そ、そうなんですか」
ナイフ持ち相手にあの勢い。
絶対普通じゃないよ。
怒らせないようにしよう。
っつか玲さんいつの間に僕の側に?
右、左、蹴り、頭突きと次々に光一さんが暴れる中、山田さんは1人の男を片手で掴むとそのまま凪倒し、男共がへし折ったテーブルの足を片手に上から男の顔面を笑いながら何度も何度も叩きつける。
「かかかか!!」
ガン!ガンガン!
「痛いですかい?痛い?痛い?
そう‥じゃぁもっと痛くしてやりますよぉ!!
ひよぉーー!!」
山田危ねぇ!
彼奴マジヤベェ奴だ!
男の顔がドンドン変形していく。
「ふ、ふざけんじゃねぇぞ!
【#炎弾__ファイヤーパレット__#】!!」
リーダー格の男がそう叫ぶと、男の手からサッカーボールぐらいの火の玉が激しい音を響かせ噴き出した。
ゴォウ!!!!!!
===========================
とまぁこういったアクションを書いてます。
少しでも楽しんでいただければ嬉しく思います!