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シータθ A Tragety of THETA  作者: 緋色の糸
4/9

死体(したい)Corpse of THETA

 男たちは森の中を、ジェットコースター周辺を、探し回った。

「ショー!」

 しかし、ビビりの夜桜(よざくら) 清真(しょうま)の行方は不明だった。


 ーーーーーー

『閉園後の裏野ドリームランドの中には、赤いワンピースを着た女の子の幽霊がおり、あそこに興味本位で遊びに来る子供達がいれば、一緒に遊ぶふりをしてどこかへ連れ去ってしまう』

 ーーーーーー


 まさか…

 誰もがそう思った。ついさっき目の前に現れた少女が、清真を連れ去ったのではないか、と。

 だんだん傾いて行く日を見、焦燥感を募らせながら、必死に彼らはビビりの名前を呼び続けた。

 帰ってくる答えは(こだま)か仲間の声のみ。

 清真の声はついに聞こえる事はなかった。

 ポツポツポツポツ…

 そのうち、天気予報では降らないと言っていた雨が降り出した。

 ポトポトポトポト…

 鵺野(ぬえの) 榮二(えいじ)は近くで立ち尽くす不死川(しなずがわ) 純次(じゅんじ)に「ほら、言わんこっちゃない」とさも言いたげだったが、こんな状況ではさすがに口に出すのは控えているようだ。

 彼らは近くに建っていたドリームキャッスルの入り口で雨宿りをすることにした。

 シャーシャーシャーシャー…

 雨脚は段々と強くなっていく。

 城の屋根に打ち付ける音がハッキリとしてくる。

 ザーザーザーザー…

 ウィィィィィ…

 ザーザーザーザー…

 ィィィィィ…

 ザザザザザザザザー…

 雨音に混じって、何かが聞こえたような気がした。

 しかし、雨音が激しいので何の音なのかは、隻眼男には聞き分けがつかなかった。

 ザザザザザザザザ…

 ザザザザザザザザ…

 ガタガタガタガタ…

 まるで、パンクした車が走っているかのような音が混じってきて、さすがの隻眼男でもわかった。

 同時に、優男の宵奈良(よいなら) 和眞(かずま)やチャラ男の榮二も気づいたようで、ジェットコースターの方を向いていた。

 この音はジェットコースターのゴンドラが上昇する時の音だ。

 しかし、あの金属の錆び付き様、蔓の巻き付き様、葉の覆い様を目の当たりにしている彼らには、ジェットコースターが動くなんてことは絶対にあり得ない、と思うしかなかった。

 雨の水煙越しにジェットコースターのレールが、

 そして、ゴンドラが確かに動いているのが見えた。

 そこには、さっきの少女が!

 キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!

 落下するゴンドラの中から、少女の恐怖の叫び声が聞こえてきた。

 その時、

「レナ!?」

 隻眼男の後ろにいた4人が一切に叫んだ。

 隻眼男は驚いた。なぜ彼らも彼女の名前を知っているのか!

「なぜ、お前たちが彼女の、畦田(あぜた) 霊那(れな)の名前を知っているんだ?」

 それには彼らも驚いていた。

「シーさんこそ、何で…」

 彼らは隻眼男より2つも歳下だ。彼らがなぜレナの名前を知っているのかと言えば、答えは1つだ。

 彼らもレナの取り巻きの一部だったということだ。

 その時、

 アハハハハハハハ!

 レナの笑い声が響いた。

 恐怖の声から笑い声に変わるのに、何があったのかと、隻眼男が見ようとすると、右眼の視界の端を何かが通り過ぎるのがわかった。

 そして、右耳に雨の音など、気にならなくなるほどの鈍く気持ちが悪い男が響いた。

 ゆっくりと顔を動かす隻眼男の視界に入ってきたモノは……


 3人の死体


 1人の死骸が残りの2人を押し潰している。

 人間凶器

 そんな言葉が隻眼男の脳内に浮かんだ。

 ジェットコースターの遠心力で飛ばされた死骸が、ここに雨宿りしていた彼らに直撃したのだ。

 その被害者は、無口の2人。

 未だセリフをももらえていない霊岩寺(りょうがんじ) 禅龍(ぜんりゅう)と、

 この雨の原因となった不死川 純次。

 そして、2人を殺す凶器にされたのは、姿を消されていた、夜桜 清真。


 ーーーーーー

「ジェットコースターで事故があったから。」

 しかし、それらの人々に「どのような事故があったのか」を尋ねれば、返ってくる返答は1つとして同じものは無い。

 ーーーーーー

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