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08,Qおつかいの内容は何ですか?Aギルドに行ってクエストを発注する事です(汗)

 異世界に来てから10日が過ぎた。

 つまりコガネちゃんが来てから3日。

 コガネは私の部屋の机の上に、丸い巣のようなものを作って丸くなっている。


 ……最初はね、低い箱とかに敷いとこうと思ったんだけどもね。タオルとか綿とか置いといて、箱を探しに行って帰ってきたらせっせと巣作りしてたんですよ。


 なんか、すごい居心地良さそうだな。この巣。

 考えながらスヤスヤ眠っているコガネを突っつく。


「コガネちゃーん。起きろー」


 つんつんつんつん。


「キュッ!」

「少しばかり不満げな顔をして起きるコガネちゃん。はいおはよー」

「キュー!」

「はいはい」


 何となく声に出して行ったら抗議された。

 そんなに怒らないでよ〜。

 なに?いい夢でも見てたの?


「キュッ!キュウ」

「分かった分かった。悪かったよ」


 謝ると、コガネはひっくり返ってお腹を前足でこすり始めた。

 なるほど。突っつかれた事より突っつかれた場所がお腹だった事にご立腹らしい。


 コガネちゃんとじゃれつつ一階に降りると、ヒエンさんがメモを書いていた。


「おはよう、アオイちゃん。コガネちゃん」

「おはよーございます」

「キュー」


 言いながらイスに座り朝ご飯のバターロール(ヒエンさん作)を食べ始める。


「アオイちゃん、食べ終わったらおつかいお願いしてもいいかしら?」


 このとき、私は油断していたのだ。

 きっと、買い出しかガラス工房への注文だろうと。


「うん。いいよー」

「ありがとう。それじゃ、ギルドでクエスト発注してきて」

「……!?」

「お願いね〜」


 ヒエンさんは笑顔でお店に行ってしまう。

 私に、メモだけ渡して。


「キュ?」

「ギルドが怖いんだよ、コガネちゃん」


 どうしたのかと目で聞いてきたコガネに答える。


「キュウ(なら私も行こうか?)」

「コガネちゃんは目立つからな〜連れて行けないな」

「キュイ(じゃあ頑張れ)」

「結構簡単に見放したね、コガネちゃん」


 バターロールを食べ終えて、コガネちゃんの頭を撫でて店に行く。

 エキナセアは店にしか出入り口がない。


 いつにも増して素敵な笑顔のヒエンさんに見送られてエキナセアを出た私は、ヒエンさんから渡されたメモがポケットの中にあることを幾度となく確認し、ギルドへの道を、今回は1人でテクテク歩く。


 だんだんと歩いている人が屈強な感じになっていくのに逐一怯えながらギルドの前にたどり着く。


「ううう……」


 入りたくない。が、ここにいても目立つ。

 意を決してギルドの中に入ると、足早に「クエスト発注」の窓口を目指す。


「あらあら、アオイさんではありませんか〜」

「アスターさーん。恐かったよ〜この窓口入り口から遠いよ〜」


 ふわふわ笑うアスターさんに対して私は開口一番泣き言を言う。


「あらあら、そうですね〜恐かったですね〜」


 アスターさんは本気で半泣きになる私の頭を撫でてお仕事モードに入る。


「それで、今日はどうされましたか〜?」

「クエスト発注のおつかいです。お願いします」


 アスターさんは引き出しから書類を一枚取り出した。


「分かりました〜。

 依頼の内容は何ですか?」

「えっと、月花羊げっかようの体毛の採取、です」

「ほー。月花羊ですか〜。またなかなかの無茶振りしますねぇ〜。ハーブさんは」

「無茶振りなんですか?」

「そりゃ〜もう。月花羊は神獣クラスの生き物ですからね〜」


 なるほど。確かに無茶振りだ。

 神獣クラスとは、もはや存在が幻とまで言われる最希少種に対する呼び名だ。

【世界とは何か〜ギルド用語編〜】に書いてあった。


「あ、アスターさん、パーティーランクの指定、とか書いてあるのですが」

「は〜い。ランク指定ですね〜大丈夫ですよ〜。

 指定ランクは何ですか?」

「えーっと、これは……A、以上?」


 メモには〈パーティーランク指定、A↑〉と書いてある。


「はい、ランクA以上ですね。

 となると残りは報酬ですね〜。どうされますか?」

「えっとですね、1500ヤル、です」

「1500!さっすがハーブさん」


「さて、以上ですね?確認させていただきま〜す。

 依頼の内容は月花羊の体毛採取。

 報酬は1500ヤル。

 Aランク以上のパーティーを指定。

 受注者はエキナセアにて依頼の詳細を聞く。

 ……以上で大丈夫ですか〜?」


「はい。大丈夫だと思います」

「では依頼人の欄にサインをお願いしま〜す」


 示された欄にエキナセアと記入する。


「はい。これでクエスト発注完了です」

「はぁぁぁ…」


 緊張が解けて思わずため息が漏れた。


「ふふふ。お疲れ様でした〜」


 頭を撫でてくれるアスターさんにお礼を言い、私は出入り口に向かう。

 アスターさんは手を振ってくれ…ってアスターさん、ハンカチ振らないで。なんか悲しくなるから。

 まあ、そんなこんなでどうにかこうにか出入り口に戻ってくる。


「ふひぃー」


 ギルドから出て謎の声を出す。


「これでミッションクリアだぜ!」


 言いながら、私はエキナセアへの道を歩き始めた。


書きたかった話を書いたついでに、入れようと思ったけどタイミングがなかったヒエンさんの偽名の話をここに載っけときます。



時間列的には1話(二部)ですね。


「そういえばヒエンさん」

「なあに?アオイちゃん」

「何でヒエンさんの偽名「甘草 燕」なの?なんの関連性も見えないんだけど」

「あら、あるわよ。関連性。」

「え?どの辺に?」

「甘草はハーブの一種で、燕は飛燕草ヒエンソウからとったの。」

「なるほど。確かに関連性あるね。あったんだね。」


こんなかんじです。

この流れでヒエンさんの名前は決まりました。

花図鑑をパラパラめくっておりました。

ちなみにアオイちゃんは苗字も名前も色です。


裏話(に、なってしまった話)が書けて満足すると共にここに載っけてよかったのか心配になっております今日この頃。

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