表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/148

80,Q楽しいですか?Aはい!

 現在時刻11時。

 お祭り会場に向けて出発だ。

 なんか、さっきまでクリソベリルの方々とヒエンさんが私を守るフォーメーションとかいうなにに使うのか分からなすぎるものの相談をしていた。

 ちなみにコガネちゃんは自衛できるから守る対象……では、あるんだけど、優先順位が低いみたい。

 私には絶対1人は誰か護衛(護衛ってなんだよ、と思わないでもない)がつくらしいね。

 お祭り行くだけで護衛って……

 私は一体何なのだろうか。


「ねえ、前見て歩きなよ」

「え?あ」

「今日は祭りなんだから、いつもの感覚で歩いてると危ないよ」

「はーい。気を付けます」


 護衛じゃなくて保護者だった。

 それなら納得だわ。悲しいけど。


「それじゃ、アオイちゃんをお願いね」

「はい」

「うう……私もアオイちゃんと……」

「ほら、ダダこねてないで行くぞ、アヤメ」


 クリソベリルは祭りの間見回りや安全確保の仕事があるらしく、交代で私の保護者と祭り会場の警護を行うらしい。

 コガネちゃんはジェードさんと見回りをするらしい。

 私が呼べば来る、みたいなことを言ってたけど。

 ヒエンさんはギルドに呼ばれた、みたいなことを言ってた。

 そんなわけで、しばらくモクランさんと2人で屋台を見て回ることになった。


「君は何か見たいものとかある?」

「うーん……食べ物?」

「普通女の子って装飾品を見たがると思ってたよ」

「私がつけると思いますか?」

「結構つけてるじゃん」

「髪留めとネックレス以外貰いものです」


 そんな会話をしながら屋台を見て回る。

 武器屋も結構あるみたいだ。

 あと装備品も。

 結構いろんな店が出てるんだね。


「あ、モクランさん、あのお店行きましょう」

「あれは……焼き鳥屋?」

「はい。タレ以外に塩もあるところが評価高いです」

「君の評価の基準が分からないんだけど」


 呆れたような声を出しながらも寄ってくれるモクランさんはやっぱり優しい。

 屋台に近づくごとに食欲をそそるたれの香りが強くなっていく。

 もうお昼時だもん。そりゃお腹すくよ。


「らっしゃい!」

「塩とタレ4本ずつ」

「はいよ!」


 モクランさんが注文してる。

 あれ?なんでだ?

 あ、お金もモクランさんが払ってる……


「はい」

「ふぇ、あ、ありがとうございます」


 そして塩とタレを2本ずつ渡された。

 やったね!モクランさんのおごりだ!


「……思ったよりおいしいな……」

「そりゃおいしいですよ~焼き鳥ですもん」

「初めて聞く単語だったんだけど」

「えっ?」

「え?」


 なに!?

 焼き鳥を知らないだと……?

 まさかメジャーじゃないのか!?


「君は普通に知ってたよね」

「私の育ったところではかなりメジャーです……」

「へぇー……君どこで育ったの?」

「……遠いところ?」

「なんで疑問系なの」

「あーえーっと……」

「まあ、いいけど」


 いいのか。

 モクランさん、言及はしないんだよな。

 私が答えに詰まるとこの話題切り上げるし。


「というか、鳥食べるなら焼き鳥も普通にあるんじゃないんですか?」

「そもそも鳥を食べないんだよね」

「えっ」

「この大陸にいる鳥って魔力ため込むせいでおいしくないんだよ」

「そうなんですか……」


 だからモクランさんさっき驚いてたのか。

 鳥、おいしいんですよ……

 なに魔力ため込んでんだよ……


「……ん?じゃあ、さっきの焼き鳥屋さんはここじゃない大陸から鳥を仕入れて来たんですかね?」

「さあね。そうなんじゃない?」


 そんな話をしている間に焼き鳥を食べ終わった。

 後でもう一回買おう……


「あら、アオイちゃん?」

「……あ!アリアさん!」


 のんびり歩きながら焼き鳥を食していたから気付かなかったが、ワックスフラワーの前に来ていたようだ。

 ワックスフラワーは今日も開店しているみたいだ。


「あらあら、モクランじゃない」

「久しぶり、アリア」

「お知り合い……?」

「まあね」

「モクランも私もハーフエルフなの」

「……アリアさんハーフエルフだったんですか!?」


 マジすか……

 えー……衝撃の真実だ……

 前々から綺麗な方だとは思ってたけど、まさかハーフエルフだったとは……


「私としてはアオイちゃんとモクランが一緒に祭りに来てる方が衝撃なんだけどね」

「ギルドの依頼とエキナセアの依頼の同時進行」

「え、依頼だったんですか」

「なに、聞いてなかったの?」

「全く……」


 ヒエンさーん?

 なにかと私に隠しすぎじゃないですかー?

 私はアヤメさんが一緒に行きたがってるって聞いてた気がしたんですがー?


「まあ、ハーブさんだし」

「そうね、ハーブさんだもの」

「ヒエンさんの総評は……」

「「優秀だけどめんどくさがりでいたずら好きな人」」

「おうふ」


 否定できない……

 なんというかというかその通り過ぎて……

 ……というか2人、息合いすぎじゃないですか!?

 どういう関係……?


「驚かせちゃったかしら」

「結構驚きました」

「あはは」

「お2人どういうご関係ですか……?」

「幼馴染。育った村が一緒なんだよね」

「エルフと人間が入り混じった村だったの」


 なるほど。

 それで2人共ハーフエルフなのか。

 ……行ってみたいな。エルフと人間の村。


「エルフって森の中にいるイメージなんですが……」

「それで間違ってないよ」

「私たちの村にいたエルフたちは森を出た少数派の集まりなの」

「固まってた方が暮らしやすいからって集落を作って暮らしてたら人間も集まってきた……って言ってたね」


 へぇ~……やっぱり固まってた方が暮らしやすいんだ。

 まあ、そうだよな。

 1人だったら何もかも自分でやらなきゃいけないわけだし。


「加護がある場所じゃなかったから、固まってないと生きていけなかったんだよね」

「……加護?」

「あら、知らない?」

「はい」

「加護っていうのは……」


 モクランさんがいつものように説明を始めようとしたタイミングで、ワックスフラワーにお客さんが来た。

 気付けば大通りには先ほどまでとは比べ物にならないほどの人が溢れていた。


「場所を変えた方がいいかな。じゃあね、アリア」

「ええ。お祭り、楽しんでね」

「さよーなら」


 手を振ってアリアさんと別れ、モクランさんについていく。

 モクランさんは私の手を引いて(そうしないと人が多すぎて逸れる)人混みの中を進み、なにかを買ってから裏道に抜けた。


「さてと……たしかこの近くだったよな……」

「なにがですか?」

「休憩場、みたいなものかな」


 そう言いながらなにかを探し始めたモクランさんに手を引かれ歩き出す。

 休憩場みたいな・・・・って何だろう。

 休憩場ではないのかな?

 ……分からん!


「ああ、あったあった」

「ここですか?」

「そう。人もほとんど来ないから話しやすいんだよね」


 モクランさんに連れられてきたのは、大通りを少し奥に入った所にある空き地。

 真ん中に木でできたベンチのようなものが置いてある。

 祭りの音は聞こえるが、見えはしない。

 確かにいいところだな。


「はい」

「わあい。ありがとうございます」


 モクランさんがさっき買っていたもの……クレープのようななにかをくれた。

 とりあえず齧ってみる。


「……ん!!」

「おいしい?」

「ん!!(コクコク)」

「なら良かった」


 これ、クレープだ。

 結構ガチでクレープだ。

 でも地球のよりおいしい。

 すっごいおいしい。


「で、加護の説明は?」

「お願いします!」


 食べてるけどちゃんと聞いてますから!

 食べるのはやめないけど!

 だって手と口が勝手に動くんだもん!


「加護っていうのは、土地神の加護がかかった土地のことね」

「……(ゴクン)土地神?」

「ある一定の土地の穢れを祓って魔物や魔獣が入ってきづらい状態にしてくれる神様のこと」

「どこにでも居るんですか?」

「国があるところは加護がかかってるよ」

「ガルダも、ですか」

「うん。国の名前はそのまま土地神の名前」


 つまり、ここの土地神様の名前は「ガルダ」なわけか。

 なんだろう……姿想像できる気がする……

 ラミアとか余裕だわ……

 今度世界地図見直して国の名前再確認してみよう。


「国があるところ以外にはいないんですか?」

「いるかもね。魔物がきづらい土地って点在してるし」


 そういう土地、大事。特に私みたいな体質の人には。

 でも、あくまで「きづらい」だけなんだよな。

 ガルダにもドラゴン来たりしてたしな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ