44,Q決まりましたか?Aはい。バッチリです。
レヨンさんとコガネちゃんが楽しげに話す声を聞きながら2羽の小鳥たちと向かい合う。
「うーむ。分かりやすい方がいいよね」
「ピッ(そう思う)」
「チュン(覚えやすいのでお願いします)」
「やっぱりそうだよね〜。三文字がいいな。三文字が」
「ピッ?」「チュン?」
「いや、ほら、コガネも三文字じゃん?」
「ピッ(なるほど)」
「チュン(そういうことか)」
コガネは色なんだよね〜
この子たちも色で行こうか。
「じゃあ、見た目でいこう。うん」
「ピッ!(了解だぜ!)」
「チュン(いいと思います)」
2羽の色は、ピの方が桜色に萌木色の目。チュンの方が萌木色に桜色の目。
見事に対だね。
「じゃあ君がサクラで、君がモエギだ」
「ピッ?(サクラ?)」
「おう。……だめ?」
「ピッピィ!(気に入った!)」
「そりゃ良かった……こっちは反応がないな……」
「チュン……チュ……(モエギ……えへへ……)」
「うん。気に入ったみたいだね」
モエギは反応がないと思ったら、周りに花が散りそうな雰囲気で喜んでいた。
サクラは分かりやすく、私の周りをクルクルと飛んでいる。
「ようし。2羽とも、リビング行くぜ!」
「ピィッ(おー!)」
「チュン!(了解です!)」
小鳥2羽を両肩に乗せてリビングに移動する。
ドアを開けると、レヨンさんが机に紙を山積みにしてコガネちゃんを質問攻めにしていた。
「コガネちゃ〜んレヨンさ〜ん」
「おっ、アオイちゃん。決まったかい?」
「主〜疲れた」
「疲れるほど質問されるってすごい状況……」
あの短時間でなにが起こったのか。
ちょっと気になる……
「で、なんて名前にしたの?」
「えっと、こっちがサクラでこっちがモエギです」
「いいね。分かりやすい」
レヨンさんはいいながら立ち上がり、1枚のメモ用紙を渡してくる。
2つ折りにされたそれを広げると、さっき考えた私の魔法陣が書かれていた。
「レヨンさん、これは?」
「魔法陣。それをコガネちゃんが魔法で地面に投写するから、一々書かなくていいって寸法よ〜」
「そんなこと出来るの?」
「まあ、そのくらいなら。主の魔法陣なら私の契約に使ってるからやりやすい」
「へぇ〜便利〜」
「んじゃ、始めようぜ〜」
レヨンさんがやる気のない声で言い、コガネちゃんが魔法陣を地面に投写する。
……すごいな。ちゃんとサイズが私用と鳥たち用になってる。
契約のやり方はさっきと同じなので、滞りなく終わった。魔法陣は1回使うと消えてしまうが、紙に書いた方は消えないらしく、コガネちゃんが2回とも投写してくれた。
そんなわけで、契約完了だ。
契約の存在を知ったその日に契約獣が3体になるとか、なんかもう……
「どうした?アオイちゃん。浮かない顔だね?」
「いや、なんか、一気に契約獣が3体って……」
「しょうがないでしょーに。アオイちゃんチートだし」
「私、そんなにチートですか?」
「まだそんなこと言ってるの?チートの中のチートだよ」
「そうですか……」
なんでだろう……あんまり嬉しくない……
「チュン?」「ピ?」「主、どうした?」
「なんでもないよ〜」
この短時間で意気投合したらしい契約獣3体に心配されながら窓の外を見ると、いつの間にやら暗くなっている。
「おや。もうこんな時間か。夕食作るかね」
「あ、手伝います!」
「主がやるなら私も」
「ピッ!」「チュン」
「じゃあみんなでやろうかね〜」
コガネちゃんはともかく、サクラとモエギはどうやって手伝うつもりなのか。
まあいいか。楽しそうだし。
その日の夜は夕食を食べ終えてからもひたすら喋り、深夜と言っていいだろう時間帯になってから寝たのだった……
ちなみにコガネちゃんはいつも通りキツネ状態で丸くなって寝ていて、サクラとモエギがコガネちゃんの尻尾に埋もれるように寝ていた。
コガネちゃんが卵を温めているようにも見えた。
一言で言うと、可愛いかった。




