41,Qどうでしたか?A納得です。
通された部屋は、物がほとんど置かれていない10畳くらいの部屋だった。
物はないが、真ん中に魔法陣がある。
ちょっと怖い。
だがまあ、明るいからいいか。
「アオイちゃん、魔法陣の真ん中に立ってくれる?」
「はーい」
私が部屋の真ん中に移動しているあいだに、レヨンさんは部屋に唯一置いてある机と棚を合わせたような家具に近寄って何かを取り出している。
どうやら紙とペンのようだ。
レヨンさんが魔法陣の、1箇所だけ飛び出ている場所に立つと、紙とペンがフワリと宙に浮かんだ。
「え!?」
「うん。気にするな」
「気になりますよ!?」
「大丈夫。すぐ慣れる」
なかなかもって雑な対応だな。
ヒエンさんを思い出すな。
なんでだろうな。
「さて、アオイちゃん。始めるよ」
「は、はい」
「緊張しなくていいよ〜。ただ、眩しいから目を瞑ってて下さーい」
「了解です」
言われた通りに目を瞑ると、次の瞬間、目を閉じていても分かるほどの強い光が放たれた。
「はい、もういいよ〜」
「一瞬、ですね……」
「まあねぇ〜」
ゆっくりと目を開けてレヨンさんを見ると、彼女は上から降ってくる紙を器用に捕まえたところだった。
カッコイイな。指先でパシッと捕まえた。パシッと。
「これが、アオイちゃんのスキル名と内容」
「えっ、この紙ですか?」
「そう。この紙とペンは魔道具の一種でさ、とある魔法陣と魔力を感知すると、魔法陣の中央にいる人のオリジナルスキルのデータを印刷してくれるのよ〜」
「すげぇ!!」
「オリジナルスキルが無い人が中央に立ってた場合はThere is no skillって書かれた紙が落ちてくる」
「それ、出た人悲しくないですか?」
「悲しいね。すごく」
いいながらレヨンさんの横に歩いていき、紙を覗き込む。
記されている内容は、
〈オリジナルスキル有り
スキル名、テイミング
スキル内容(良)光側のあらゆる動物と意思疎通が出来、また動物に好かれる。
スキル内容(悪)闇側の自我を持たぬあらゆる動物に狙われる。
魔力、5〉
こんな感じ。
なるほど。私がドラゴンやらにロックオンされたのはこれが原因か。
……あれ?ドラゴンって闇側?自我無いの?
「ほおぉぉぉ……魔力5が出たよ……」
「え?珍しいんですか?」
「分かりやすく言ってレア度5だね」
「え?MAX?」
「そう。MAX」
「えぇぇぇ!?」
「すげぇ……5は初めてだ……5は……」
「レヨンさんでも初めてなんですか?」
「うん……私のは3だからね……普通は出ても3.5くらいだよ……」
マジか……めっちゃレアじゃん……
え?もしかして、私にもチート性能が?
「アオイちゃん、これ自覚ない?なんか珍しい動物に好かれるとか……」
「……私、今、白キツネと一緒に生活してます……」
「白キツネ!?」
「さっき言ってた私の連れが、白キツネです」
「……マジか……」
「主認定、されてます」
「……………………マジか」
「珍しいんですか?」
「白キツネは普通、人間を主にしないよ……」
「でも、5人くらい、てなずけた人いましたよね?」
「あれは対等な関係になれたってだけだよ……」
「……え?」
「白キツネに主認識されるとか……超チート……」
「……マジすか……」
チートだったらしい。
私自身は弱いけど。めっちゃ弱いけど。
いや、むしろ弱いからチート性能だったのか?
「アオイちゃん超チート……もうアオイちゃんが勇者でいいよ……」
「私自身は……弱いんですけど……」
「いや……白キツネの主になれるならドラゴンのテイミングも夢じゃない。イケルイケル」
「ちょっ、対応塩すぎませんか?」
「なんか、もうよく分かんなくなってきた」
「そんなぁ……」
レヨンさんに見捨てられたらどうすればいいのか。
ヒエンさんはこの場にいない。
「ま、とりあえず、人に言わない方がいいよ」
「それは、はい。そうですよね」
「知られたら大変だぞ〜」
「ですよね〜」
「そんなわけでアオイちゃんの当面の目標はドラゴンのテイミングね」
「無理ゲーだ!!」
「イケルイケル」
「イケナイです!」
レヨンさんが光のない目をしてガッツポーズをしてくる。ちょっと怖い。
「あ、それは置いといてアオイちゃん」
「なんですか?」
「アオイちゃん、テイムしたのは白キツネだけ?」
「そう、ですね。はい。獣人少女2人と仲良くしてますけども」
「うむ……じゃあ、1羽あげようか」
「ん?なにをです?」
「うちの鳥を。文通しようぜー」
「鳥?」
「私さ、色んな情報を収集してくれる鳥を飼ってるんだよね」
「鳥すげぇ……」
「ちょっとした魔力のある鳥たちなんだよ」
「文通出来るんですか?その鳥たちで」
「分かりやすく言ってハリ〇ポ〇タ〇のフクロウと同じ?」
ああ、あの感じか。
足に手紙付けて飛ばすのか。
「貰っていいんですか?」
「うん。いっぱい居すぎて収拾つかなくなってきてるから」
「いやどんだけいるんですか!?」
「ざっと50羽くらい?」
「結構いる!!」
「今この家に居るのは20羽くらいだけどね」
「他の30羽は?」
「この世界のどこかで情報を収集してる」
「なにそれちょっとカッコイイ……」
「そんな訳で、どうよ?」
「欲しい、です」
「おーう。持ってけ。2羽くらい」
「さっき1羽って言ってませんでした!?」
「細かい事はいいんだよ」
そんなわけで、鳥部屋なる場所に行くことになりました。




