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31,Qそれは何の準備ですか?A旅の準備です。

 この世界の陸地は、全て繋がっている。

 大陸と呼ばれる大きな塊が7つあり、その間を細い橋のような陸が繋いでいる。

 その橋のような場所には関所があり、大陸間の移動を見張っている。

 7つの大陸にはそれぞれ番号が振られており、1つの大陸には大体4〜6の国がある。


 ……なぜ突然こんな話をしたかと言うと、ヒエンさんに言われた事が原因なのだ。

 あ、ちなみに今日はヒエンさん帰還から4日目です。

 とりあえず、今日の朝の出来事を振り返って見ましょうか。

 はい。ホワワワワーン


「おはよ〜ヒエンさん」

「おはよう店主」

「おはよう、アオイちゃん、コガネちゃん。突然だけど、二人共買い物に行ってきてくれない?」

「うん。いいよ〜。……わあ、リスト長い……」

「店主、日常生活に必要ないものが混ざってる気がする」

「でも必要なのよ。旅には」

「旅!?ヒエンさんまたどっか行くの!?」

「違う違う。行くのはアオイちゃんとコガネちゃん」

「えっ!?」

「マジで?」

「ええ。2週間くらいの予定で行ってもらうわ」


 回想終了。

 こんな感じです。はい。

 で、今。2人で買い物してます。

 買う物は多く、もう何軒の店を巡ったか分からない。

 ちなみに言うと、私は知識がなさ過ぎるため、ほとんどコガネちゃん1人で買い物している。

 じゃあなんで私ここにいるんだよ。って思ったので聞いてみたら、私がいないと買えないものがある。って言われた。

 でも今の所なんにもしてません。


「主、終わったよ」

「りょーかい。次はどこ?」

「靴屋」


 大量の購入物を抱えたコガネちゃんと並んでお店を出る。

 数軒前のお店からこうなので、荷物を持つのを手伝おうとしたのだが、

「主が持つと心配で気が休まらない」

 と言って持たせてくれないのだ。

 私はそんなにひ弱に見えるか。

 ……見えるな。自分が1番分かってるわ。


 言いながらテクテク歩いて大通りを少し裏に入った所にある靴屋さんを目指す。

 店の感じはエキナセアに似ている。

 大きくはないが、わりと人の来るお店。

 そんなお店の扉を開ける。


「いらっしゃい」


 カラン♪という音と共に、青年の声がする。

 ちょっとビックリ。

 てっきりもっと上の年齢の人がやっている店だと思ってた。

 でも考えてみればヒエンさんもあの若さで店主やってるな。


「今日はどんな靴をお求めですか?」

「この人の旅用の靴を」

「ん?私のなの?」

「うん。主の」


 コガネちゃんは床に荷物を置きながらさも当然のように言う。

 ……あ、これか。私がいないと買えないもの。

 確かに私がいないとダメだね。私の靴だもんね。


「旅用ですか。布と革とありますが」

「革で」


 ……私の靴なのに、注文はコガネちゃんが行っている。

 いいけどね、別に。


「では、こちらにお座り下さい」


 店員さんに言われてイスに座る。

 地味にイスが高く、足をユラユラさせていたら店員さんが何足かの靴を持ってきた。


「普段履いているのはこの靴ですか?」

「あ、はい」

「なら、同じようなショートブーツがいいかもしれないですね」


 店員さんは言いながら、焦げ茶色の編み上げブーツを差し出してくる。


「1回履いてみて貰えますか?」

「はーい」


 素直に応じてブーツを履き替える。

 履き終わったところで促されて立ち上がる。

 そのままトコトコと数歩歩いて、クルッと回ってイスに戻って来る。


「どうですか?」

「うーん……なんか、硬い感じがします」


 新品だからしょうがないのかも知れないが。


「そうですか……サイズはそれで大丈夫でしたか?」

「はい。サイズは大丈夫です」


 店員さんはそれを聞いて、壁に備え付けられた棚に歩み寄る。

 その間にブーツを脱いでおく。


「これなら、先程の物より素材が柔らかいです」


 そう言って渡されたブーツを受け取り、再び履いてみて立ち上がる。

 そしてトコトコと歩いて、軽くジャンプしてみた。

 ……おおお!なんというフィット感!

 すごい、これすごい!

 1人ではしゃいでぴょんぴょん跳ぶ。

 ついでに軽く歩く。


「あれで良かったみたいなのでお会計お願いします」

「はい。……あなたはいいんですか?」

「私はいいのを持ってるので」


 1人フィーバーしていたらコガネちゃんが会計を済ませていた。

 再び大量の荷物を抱えようとするコガネちゃんに、さっきから思っていた事を言ってみる。


「コガネちゃん、コガネちゃん、コガネ君状態の方が荷物持ちやすいんじゃない?」

「……確かに」


 コガネちゃんがコガネ君に変化している間に、店員さんから私が元々履いていた靴(袋に入れて貰った)を受け取る。

 そしてお礼を言って、ペコペコと頭を下げてお店を出る。


「コガネ君、次はどこだい?」

「次は服屋」

「服屋……」


 なんか嫌な予感がする。

 そして、その予感は当たる。

 コガネ君が向かった先は、以前来たことのある可愛い雰囲気が店全体から放出されている(ような感じがする)お店だった。


「コガネ君、ここでなに買うの?」

「主の旅用の服と外套、それと、俺の外套を」

「私の服メインかい?」

「そうなるな」

「……他の店でも…………」

「この店が1番数が揃ってる」


 最後の抵抗も虚しく、店の扉を開ける。

 相変わらず品の良い店だ。

 私には場違いだ。

 入口で尻込みする私とは対照的に、コガネ君はスルスルと店内を進んでいく。

 とりあえず付いていく。


 コガネ君に付いていくと、旅用の服が置かれた1角に出た。

 わー。色々置いてあるな〜


「……主、とりあえずこれ着てみて」


 商品の多さに惚けていたら、コガネ君が1着の服を手渡して来た。

 逆の手で試着スペースを指さしている。


「おー。りょーかい」


 とりあえずコガネ君に従っておけばどうにかなりそうなので素直に試着スペースに行って素直に着替える。


「コガネ君、着替えたけども」

「サイズは?」

「ピッタリ」

「ちょっとまってて」

「はーい」


 2分ほどで、コガネ君は手に3着程の服を持って戻ってきた。

 少しずつタイプの違う服のようだ。


「これも着てみて」

「はーい」


 素直に着替える。

 で、サイズと着心地、着替えやすさ等を聞かれる。

 そうしたらコガネ君が数着を持って行き、また別の数着を持ってくる。

 そんな事が何回か続いて、最終的に4着を選んだ。

 次は外套を選ぶらしい。


「色は派手じゃなかったら好きなのでいい」


 コガネ君にそう言われ、とりあえず深い色を見てみる。

 最初に手に取ったのは深い青のもの。

 コガネ君に見せに行くと、


「少し長いな。もう少し短い方が動きやすいぞ」


 と言われた。

 なのでこれに近い色の短い方バージョンを探す。

 で、探し始めて5分程で見つかった。

 それを片手にコガネ君の元に行くと、コガネ君は膝くらいの丈のマントのようなものを試着していた。


「コガネくーん」

「主、決まった?」

「うん。これにする。コガネ君は?」

「俺はこれ」

「短くない?」

「このくらいじゃないと、姿を変えた時に引きずる」

「なるほど」


 ちなみにコガネ君とコガネちゃんの身長差は30センチくらいです。

 そんなこんなでお会計を済ませて店の外に出る。


 この日はそんな事を繰り返して1日が終わりました。

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