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02,Qどうやって生き延びますか?Aエキナセアで働きます。

 ……えっ?

 え、今、甘草さんなんつった?

 私が異世界来ちゃった原因甘草さんなん?

 どゆこと。(パニックって、こうゆうことを、言うんだろうなぁ〜)


「まあまあ、落ち着きなさいな」

「いや、え?えっと、どゆこと?」

「順を追って説明するから」


 どうどう、と甘草の姐さんは馬でもなだめるように手を上下に動かした。


「まず、前提として私はこっちの世界の人間なの」

「え、甘草姐さん異世界人だったの?」

「姐さん……まあ、そゆこと」


 なんてこった。クラスメイトの転入生は異世界からの転入生だったらしい。


「で、この世界の人も、向こうの世界の人も、基本的には異世界の存在なんて知らないのよ。信じてるかどうかは別として」


 こっちでもそうなのか。

 異世界って聞くと何でもあり感がすごいのだが。


「私はたまたま異世界の存在を知ってて、さらに珍しいことに行き方も知ってたから、ならいっちょ行ってみよーって向こうの世界に行ってたの」


 甘草さんが世界を移動した理由の軽さに驚愕する。

 普通しないでしょ。何だよ、行ってみよーって。


「……って、ちょっとまって甘草さん、甘草さんなら私を元の世界に送れたりしますか?」


 軽〜いノリで世界を飛び越える甘草さんなら私のことも軽〜いノリで送ってくれそうな気がする。


「あ、それは無理★」


 ……軽〜いノリで断られた。


「なぜに!?」

「2つの世界は鏡の向こうのような感じでね。その鏡的な世界の壁が薄いから往き来出来てたんだけどその壁がまた分厚くなっちゃってね」


 なんとまあ。なぜこのタイミングで私は異世界に来てしまったのか。


「というか、壁がまた厚くなるから私もこっちに帰ってきたわけなんだけど」

「そういえば甘草さん、甘草さんが原因ってらへんをまだ聞いてないよ」


 ここまでの話では、そこらへんが分からない。


「あ、それはね。私が向こうでちょっとグダグダしてたら壁が厚くなり始めちゃって。ちょっと強引に通ったから藤野さんを巻き込んじゃったみたい」


 ……150%くらいこの人が悪い。

 なんだよ。グダグダって。


「いやーごめんね?それと、甘草じゃなくてヒエンと呼んでおくれな」

「謝り方が軽いよヒエンさん!」


 なんだかんだ呼んじゃってるから怒っても迫力が欠片もないよ私!


「ま、だからしばらくは異世界満喫してよ」

「満喫って……というかヒエンさん、こっちの世界にいるなら衣食住が必要だよね?」

「そうね」


 ……どうしましょう。まともに働いたことがないばかりか日本の平和という名のぬるま湯に浸かってた私が異世界で働ける気がしないのでございます。


「冒険者とか……」

「……葵ちゃん、日本の平和という名のぬるま湯に浸かってた女子高生が冒険者なんてやったら即バッドエンドよ」

「ですよね〜」


 世界はそんなに甘くない。

 というかナチュラルに葵ちゃんって言われた。


「葵ちゃん、これは1つの提案なんだけどね」

「なーにーヒエンさん」

「ここで働く?」


 え?なにその地獄に垂らされた救いの糸的な提案は

 大丈夫かな。糸切れないかな。


「いいの?いやいいんですか?」

「私が原因だしね。男なら捨て置くけど女の子だしね。少なくとも衣食住は揃うわよ?」


 今日ほど自分の性別に感謝した日はない。


「ぜひよろしくお願いします!」

暇になって小説情報を眺めてたらブックマークが1になっていた。

喜びと驚きが同時に来て「ふぁっ!」という謎の鳴き声を出した。

嬉しいけどなにかプレッシャーを感じる今日この頃

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