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01,Qここはどこですか?A異世界です。

 目が覚めたら、見知らぬ草原にいた。

 ……ちょっとまて!私今日は河川敷でお昼寝とかしてなかったはずだけど……あれ、どうしよう自信無い。

 とりあえず起きて周りを見渡す。


 なんか大きな壁があって、中世ヨーロッパ☆な感じの街がある気がする。

 ……少なくとも私の、藤野葵の見慣れた日本の風景ではない。


 夢かな。これ。


 ほっぺをつねってみる。痛い。

 自分に向けてデコピンを放ってみる。痛い。

 一旦座って、足に拳を振り下ろしてみる。痛い。

 こんな事してる自分が一番イタい。


 とにかく夢なのか何なのかはっきりさせよう。

 そう思って、草原というより丘だったらしい原っぱから街に向けて歩き出す。


 街に来た結果、よく分からなくなった。

 とりあえず日本ではないらしい。

 黒髪の人が一人もいなかった。

 この状況を整理して、私の頭の中の選択肢は4つ。


 1,やっぱり夢だった♪(これが良いなぁぁ!)

 2,ここは日本のエンターテイメント施設さ☆

 3,異世界、来ちゃった★

 4,ここは死後の世界だよ♡


 ……3、4は無いだろ。

 というか何で4だけこんなに恐いの?

 何で私死んでんの?

 ……あれ、私死んだ?

 あぁ、駄目だ。選択肢4に引きずられてる。


 とりあえず、ここがどこなのかはっきりさせたい。

 私はそう思って、何か、店的なものを探す事にした(なぜ店なのかはちょっと分からないけれど)


 表通りの店は敷居が高かったので少しだけ裏に入った通りで怪しくなさそうな店を探す。


 そんなこんなで歩いていると、なにやら他の建物とは全く違う(気がする)建物を発見。

 ついでにその建物の入り口の横に


【薬屋・エキナセア】


 という看板を見つけた。


「薬屋……?」


 少なくとも建物の感じのでは老婆がイヒヒヒヒ……と鍋をかき回してるわけでは無さそうだ。

 入り口にはopenの札も掛かっている。

 意を決して扉を開けた。


「おや、珍しいお客さんだ」


 店の中は木を基本とした作りで、どこか温かみが溢れていた。

 その店の中のカウンターの内側に座っている白銀の髪の美人さんに目が釘付けになる。……別に見惚れてたわけじゃないよ?


「えっちょっ、ちょっとすいません間違ってたらすいません、甘草さん!?」


 カウンターの内側の美人さんが、同級生にそっくりだったのだ。目と髪の色は違うけど。


「ほお。よく気付いたね。髪も目も色が違うのに」

「やっぱり甘草さん!?」

「そうだ、と言えるね。一応。……まあとりあえず座りなよ。そんなとこに立ってないで」


 言われて、ついでに手招きされて、カウンターの外側のイスに座る。

 どうでも良いけどこのイス地味に高い。軽く勢いつけないと座れない。


「さて、で、藤野さんなんでここにいるの?」


 唐突に直球を投げつけられた。


「いや、それが分かんなくて……」

「分からないか。なるほどねぇ……」


 甘草さん、学校とキャラが違う。

 学校では『転校してきたけど体が弱くてあんまり学校に来られない正統派清楚系お嬢様』だった。

 目の前の甘草さんは白銀の髪に水色の目だけど学校では黒髪に黒い目だったし。


「さて。状況を整理しようか」


 その、甘草さんなのかも怪しくなってきた気がする美人さんが口を開く。


「私はヒエン・ウィーリア・ハーブ。向こうの世界の日本では、甘草燕と名乗ってた」

「ヒエン?世界?」


 というか向こうの世界ってなんだ。

 こことは世界が違うとでもいうのだろうか。


「ここは、日本から見ると『異世界』だから」


 ……まさかの、選択肢3が正解だった。


「で、結論から言うとね」

「はい。なんでしょう」


 もう何があっても驚かない自信がある。


「ごめん。異世界来ちゃったの、多分私のせいだ」


 ……すっごく、驚きました。

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