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おまけ2,聖銀のピアス

 昨日、サクラとモエギを迎えに行って、そのままレヨンさんの家でお喋りしていたら夕方にヒエンさんが迎えに来たので一緒にエキナセアに帰ってきた。

 その時点で夜になっていたので、夕飯を食べて寝た。

 うーん、やっと帰ってこれたなぁ……


「おはよう、アオイちゃん」

「おはよう、ヒエンさん」


 ヒエンさんはエキナセアについてすぐに見た目をヒエンさんにしていて……って、これだと意味が分からなすぎるな。

 ウィルさんはエキナセアについてすぐに見た目をヒエンさんにしていて、私としてはやっと違和感が完全に消え去った。


「さて、ヒエンさん!」

「なあに、アオイちゃん」

「半休ください!」

「1日休みでいいわよ、コガネちゃんも一緒に」

「わーい!」


 今日だけは、無理を言ってでも半休を取得しようと思っていたのだが、気前よく1日休みにしてもらえた。

 コガネちゃんも一緒。これはもう、皆で行くしかない。

 そんなわけで、朝ご飯を食べて荷解きを終わらせて、いい時間になったら店を出る。


 歩きなれた道を小走りに移動し、目的の建物の前で止まってノッカーを叩く。

 扉を開けてくれたのはジェードさんだった。


「あれ、アオイちゃん、コガネも。いらっしゃい、おかえりかな?」

「はい!あの、モクランさんいますか?」

「いるよ。アオイちゃんが魔法教わってた庭」

「ありがとうございます!」


 中に入れてもらって、庭まで足早に向かう。

 コガネは珍しくジェードさんとお喋りを開始せずについてきてくれた。

 庭に続く扉をバンッと開けて、驚いたようにこちらを向いたモクランさんに歩み寄る。


「……なに。帰ってきたの、おかえり」

「ただいまです!そんなわけでこれを……」


 スッと小箱を差し出す。

 可愛らしくラッピングされたそれを見て、モクランさんは眉をひそめた。


「なにこれ」

「お土産?です」

「何で疑問系なの、何で保護魔法かけてるの」

「綺麗だったから、崩れるのがもったいなかった」

「コガネか……」


 モクランさんは額に手を当ててため息を吐いてから、箱を受け取って包装をほどき始めた。

 そして、箱を開けて閉じた。


「……なにこれ」

「お土産です」

「なんでお土産で聖銀のピアスとか買ってくるの!?」

「綺麗だったので?」

「コガネはなんで止めないの!?」

「主が楽しそうだったから?」


 珍しく声を荒げたモクランさんは深ーいため息を吐いて箱を開けた。


「返品可?」

「返品されたら私のタンスの中で眠ることになりますね」

「他に渡す人居ないの」

「居ないです!」

「……はぁ」


 モクランさん、ため息吐きすぎでは?

 まあ、非常識ではあるんだろうな、とは思う。

 でも、これに関してはもう勢いで押し切るしかないと思ってる。


「ちょっと持ってて」

「はーい」


 箱を渡され、どうするのかと見ていると、モクランさんは今着けているピアスを外してポケットに入れ、箱に納まっていたピアスを取って耳に着けた。

 髪で見えないギリギリ、角度によって先が少し見えるくらいのそれは、かなり私の理想通りだった。


「ふおおお……」

「満足?」

「満足です!」

「そ。良かったね」


 モクランさんは諦めたようにそう言った。

アオイちゃんがパッと思いついたお土産を渡したい人はモクランさんでした。

さて、これでエキナセアは完全に終了でございます。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

縁がありましたら、またどこかでお会いしましょう!

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