表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/148

13,Qヒエンさんと合流出来ましたか?Aおかげさまで。

 コガネ君に抱えられて時計塔から降りる。

 街の人たちはどこから話を聞きつけたのか、2体目のドラゴンがいる方へ流れていった。

 ……見物かな?気楽だネ。

 で、それは一旦置いといて、だ。


「コガネ君、ヒエンさんがどこにいるか分かる?あと降ろして」

「……分かった」


 なぜだか渋々、といった感じで私を降ろしたコガネ君は、深く息を吸った。

 瞬間、空気の質が変わる。

 コガネを中心にして、空気が波打っているような感覚だ。


「……いた。主。……主?」

「え?あ、見つけた?」

「ああ。主、顔色が悪い」

「ん……なんか気持ち悪い……船酔いしたときの感じ……」

「主は魔力波が苦手だったのか。言ってくれれば良かったのに」

「魔力波?」

「さっき使ったやつだ。

 人や物を探したり、地形を把握したりできる力の事で、人によって波長は違う。

 主は、俺の波長が駄目だったか、突然強い魔力波を近くで浴びたからあてられたのどちらかだと思う」

「そうか……詳しい説明をありがとう……」


 説明しながら、コガネ君は手を私の額にあてる。

 あ〜ひんやりしてて気持ちいい。


「で、店主のところに行かないのか?」


 そうでした。それが目的でした。

 というか、どうでもいいけどコガネ君はヒエンさんのこと店主って呼んでたのね。


「どこにいるの?」

「エキナセアだ」

「……最初の目的地であってたんだ……」

「そうだな」


 言っている間に具合は大分良くなった。

 なので歩いて行くことにする。

 道は、まあどうにかなるだろう。


「よし。行くぜコガネ君!」

「分かった」


 エキナセアがある(であろう)方向を指差して、意味もなくポーズなんかを決めて歩き出す。

 ……恥ずかしいな。やんなきゃよかった。


「主、今のはなにか意味があったのか?」

「やめて!言わないで!」


 コガネが傷を抉ってくる。

 ま、私が原因なんだけどね。

 そんなやり取りをしている間に道がわかれた。


「コガネくーん。これどっち?」

「こっちだ。と、思う」

「なにその付け足し!?」


 言いながらも歩き続け、見覚えのある道に出た。

 ここまでくれば大丈夫だ。

 そう思ったら、自然と歩みが速くなった。

 駆け足で進み、最後の角を曲がる。


「あっ!ヒエンさん!」

「アオイちゃん!大丈夫だった!?」


 角を曲がってすぐに、店の前をウロウロしているヒエンさんを見つける。


「ヒエンさぁーん!こわかったよー!2回もドラゴンにロックオンされたよー!」

「それでよく生きてたわね……ところでアオイちゃん。この緊急時に吊り橋効果で彼氏でもできたの?」

「あ、違うよ。この子コガネだよ」

「……人型に、なれたのね。というか男だったの?」

「いや、俺たちに性別の概念はない」


 なんかデジャブな会話が繰り広げられている。

 そういえばコガネは女の子にもなれるって言ってたよな?


「コガネ君コガネ君、もう戦いは終わったんだから、女の子のほうになってみてくれない?」

「分かった」


 ポンッと軽い音がして、コガネの体が煙に包まれる。

 その煙が晴れると、私と同じくらいの身長(154センチ少々)の少女が立っていた。


 ……可愛い。白い、柔らかそうな髪の毛に、同じく白い肌。だが目だけは黄金色で、まるで宝石のようだ。


「コガネちゃん、可愛い!」

「?主はこっちの姿の方が好き?」

「うん。美少女最高」


 思わず抱きつくと、不思議そうに尋ねられた。

 そんな私たちに、ヒエンさんが笑って言う。


「二人共、とりあえずお店の中に入りましょう」

「はーい」

「分かった」


 お店の中は綺麗に無事だった。

 棚の中もそのままだ。

 ポーションも1本も割れてない。


「さてさてコガネちゃん。とりあえずこれに着替えましょう」


 ヒエンさんがすごい早技で奥から店の制服を取ってきた。


「……私がこれを着るのか?」

「そうよ〜コガネちゃんが着るの」

「…………分かった」


 コガネちゃんは何かを少しだけ考えていたが、制服を受け取ってリビングに歩いて行った。


「ねえねえ、ヒエンさん」

「なあに、アオイちゃん」

「なんでコガネちゃんを着せ替えるの?」

「店番、して貰おうと思ってね」

「え?マジで?」

本気マジで。大丈夫よ。カウンターの内側に隠れてたって言っても、毎日お店に居たんだから」

「確かに仕事は大丈夫だろうけど……」


 でも、考え方によってはいいかもしれない。

 美少女を毎日眺められる。

 あれ?最高じゃね?


「なるほど。さすがヒエンさん。いい考えだね」

「なにを想像したのかは知らないけどありがとう」

「主〜エプロンが結べない」

「え?なにその可愛い状態」


 前掛けタイプのこのエプロンは後ろで蝶結びにするのだが、コガネちゃんにはできなかったようだ。

 可愛い。何度でも言おう。可愛い。


「はい、出来たよ〜」

「ありがとう、主」


 おや、身長は同じかと思っていたが、コガネちゃんの方が少しだけ小さいみたいだ。

 正確には4センチくらい。


「それじゃ〜二人共、開店準備を始めるわよ」

「え?お店開けんの?」

「そりゃね。うちは被害がなかったし、店員さんも増えたし。それに、今回の騒動でけが人も出たはずだから、お店開けとけばかなり儲かるわよ」


 世知辛いなぁ〜。

 せめて怪我をした人たちのため、とか言って欲しかった。

 それとヒエンさん、その、人差し指と親指で輪っかをつくるジェスチャーだけはやめて。


「私は作業部屋でポーション量産するから、2人はお店をよろしくね」

「はーい」

「分かった」


 返事をして、看板を出すために店の扉を開ける。

 数名の人がこちらを見てほっとした表情をしているあたり、確かに稼げそうだ。

 ……言い換えよう。確かに繁盛しそうだ。


「コガネちゃ〜ん、ポーションの量大丈夫?」

「大丈夫」

「ようし。それじゃ、開店だぜ!」

これでコガネちゃんの方が出て来ましたね。

いやぁ嬉しい。(←コガネ君よりコガネちゃん派)

あ、突然すいません。瓶覗でございます。

今回の騒動は、コガネの人型の為だった気がします。

ごめんね、ドラゴン……

罪滅ぼしの意味を込めて、ドラゴンの外見の事を載っけときます。

暇な方は見てやってください。


ティラノサウルスをベースに、前足と後ろ足の差を少しだけ小さくして、背中から翼(鳥とコウモリの間みたいな感じ。それこそ飛竜の翼が一番分かりやすいかもしれない。)を生やして、ものによっては角を生やして出来上がり☆

です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ